著者
高柳 勉 ウィモンスリ ポンタウィワット 横塚 弘毅
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
応用糖質科学 (ISSN:13403494)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.121-127, 1995

1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide (EDC)またはp-chloromercuribenzoic acid(PCMB)を用いた化学修飾によりブドウインベルターゼの活性は低下した.基質であるラフィノースを添加することによりEDCまたはPCMBによる不活性化反応の速度は減少した.酵素のK<SUB>m</SUB>値はEDCまたはPCMBによる不活性化によって影響されなかった.EDCによる不活性化反応の間に多くのカルボキシル基が修飾されていることが観察され,この修飾は酵素の活性部位だけでなく酵素の表面でも同時に起こっていると推測された.PCMBにより,酵素を完全に失活させるためには酵素1分子当り一つのスルフヒドリル基が修飾されることが必要であった.EDCとPCMBによるこれらの化学修飾の結果はカルボキシル基とスルフヒドリル基が酵素活性に必須であることを強く示唆した.

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