著者
安藤 淳平 松野 清一
出版者
日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.1195-1201, 1965

フロリダ, マカテア, モロッコ, タイバ, ガフサ, コシアなどの一般のリン鉱石を加熱すると, リン鉱石の主体であるアパタイト(結晶粒子の大きさ0.02~1μ)は500℃ 付近でいったん結晶性が低下し,700℃ 以上になると結晶成長を起こす。未焼成リン鉱石のク溶率はアパタイト結晶の大きさや鉱石の品位に応じて65%(ガフサ)から29%(タイバ)の間であり,500℃ の焼成で一部の鉱石は僅かにク溶率が増加し,700℃ 以上の焼成ではいずれもク溶率が低下する。1350℃ の焼成ではコラリソ鉱石(火成岩質)のク溶率(約10%)に近くなる。一般のリン鉱石のアパタイトの格子定数α0は500℃か900℃までの焼成で顕著に大きくなり, 1350℃に焼成するとコラリン鉱石のアパタイトのα0に近くなる。<BR>硫酸とリン酸との混酸による分解速度は,焼成によってアパタイトの結晶が成長してもク溶率の場合ほど変化しない。硫酸との反応で生成するセッコウが鉱石粒子の表面を覆い,このセッ3ウ皮膜が分解性に及ぼす影響の方が結晶の大きさの影響よりも強いからである。焼成によって鉱石中の炭酸ガス分が全く失われると,混酸と混合した場合の鉱石の分散が悪くなって小塊をつくり易く, このため分解率の低下をきたす。<BR>リン鉱石中の有機物の量は鉱石によって著しい差があり,熱分解の様子も異なるが,いずれも900℃ までの焼成で大部分除かれる。リン鉱石の示差熱分析曲線に見られる300~700℃の発熱の量は,鉱石中の有機物の量にほぼ対応している。

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こんな論文どうですか? リン鉱石の焼成変化(安藤 淳平ほか),1965 https://t.co/em2xgz3ptV フロリダ, マカテア, モロッコ, タイバ, ガフサ, コシアなどの一般のリン鉱石を加熱すると, リン鉱石の主体であるアパタイト…
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