著者
後藤 忠俊 室谷 寛 笹本 興児
出版者
社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.1172-1175, 1965

塩基性炭酸マグネシウム(炭マグと略称)の製造では,良質の製品を得るために結晶状態が重視される。これは結晶化の過程に直接関係している問題である。塩化マグネシウムと炭酸ナトリウムとの80℃ 程度の溶液反応で,炭マグを生成するとき他の物質が副生する。これらの物質として,正炭酸マグネシウムが知られているが,この外に(1)無定形物質,(2)従来未知のX線回折を示す物質がある。反応の初めに無定形物質が,遅れて(2)の物質が生成し,炭マグに同伴する。このような場合,炭マグ結晶は[001]方向に余り成長しない。常温反応では正炭酸マグネシウムが生成するが,希薄溶液の条件では無定形物質が得られる。これは徐々に変化して上の(2)の物質を含む複雑な状態となる。80℃ 反応の副生物は当量反応で高濃度の場合に避けられる。また熟成によって炭マグに変化させられる。しかし,この副生物は炭マグの結晶化に直接あるいは間接に影響するらしい。

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