著者
山下 雄也 布本 貞明 三浦 定美
出版者
社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.317-320, 1966
被引用文献数
7

ジメチルケテンとアセトンとの交互共重合で,高融点脂肪族ポリエステルを合成する条件を検討した結果,トルエン,エーテルなどの溶媒中ブチルリチウム,グリニャール試薬などの触媒系が適当であった。ナトリウム,カリウム化合物系触媒や,ジメチルホルムアミドなどの極性溶媒は, ジメチルケテン単独重合体を生成しやすい, 三元共重合の結果からカルボニル化合物の共重合性がベンズアルデヒド> アセトン~ ギ酸メチル> ジメチルケテンの順序にしたがうことがわかった。エチレンオキドシは交互共重合せず,イソシヤナートはランダム共重合することを認めた。これらの結果から,ジメチルケテンとカルボニル化合物との交互共重合は対カチオンにカルボニル基が配位したキレート中間体を通って起こることを推定した。

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