- 著者
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江原 洋一
- 出版者
- 社団法人 環境科学会
- 雑誌
- 環境科学会誌 (ISSN:09150048)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, no.6, pp.503-509, 2004
埼玉県では1981年の環境影響評価制度導入以来,事業実施段階でのアセスメントの審査実績を積んできたが,事業内容がほぼ決定されてから環境アセスメントが行われるので,環境影響を回避・低減するために選択できる措置が限定されるという課題に直面した。そこで,2000年7月から事業の計画立案段階において環境影響評価の検討を開始し,2002年3月,「埼玉県戦略的環境影響評価実施要綱」を制定した。この要綱によって計画策定者は,事業の計画立案段階において計画の社会経済的側面を考慮しつつ環境影響評価を実施することとなったが,検討過程では,複数案,ゼロ・オプション,社会経済面の評価,収集された情報に対する計画策定者の説明責任の履行等をどう規定するかが議論となった。要綱に基づいて2002年7月現在までに,「地下鉄7号線延伸(浦和美園~岩槻)計画」及び「所沢市北秋津地区土地区画整理事業」に関してSEAが実施されており,その概要を述べる。