著者
五十嵐 隆夫
出版者
THE JAPANESE SOCIETY OF PEDIATRIC ALLERGY AND CLINICAL IMMUNOLOGY
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.57-65, 1998

小児アレルギー性疾患のコストエフェクトを研究する目的で, 気管支喘息の診療コストを調査した. 診療所, 総合病院, 大学病院の小児科外来を受診した0から20歳の気管支喘息患者の1ヶ月間の外来診療コストを, 受診回数, 処置薬剤料, 処方薬の種類と薬剤料, 検査料について調べた. 外来診療費は, 診察料が, 6,000~7,000円 (病院4,000円減), 処置薬剤料が600円, 処方薬剤料が11,000円であり, 処方箋料が1,800円, 検査料が, 2,700円, 総計で22,000円であった. 処方薬剤料の内訳は, DSCGが30%, 抗アレルギー剤が28%, テオフィリン製剤が24%, β<sub>2</sub>刺激剤内服が7%, BDPが4%, β<sub>2</sub>刺激剤吸入が2%, その他が5%であった. 処方薬剤料は, 医療機関別あるいは年齢層別に差は認めなかったが, 重症度別では, 軽症と重症で2~3倍の差が認められた. 気管支喘息の診療コストの削減を考えるポイントは, 抗炎症作用が強力な吸入性ステロイドを軽症例から導入するか否か, 長期的副作用や薬物依存性も考慮して判断する必要がある.

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こんな論文どうですか? 小児アレルギー性疾患治療におけるコストエフェクトに関する研究:第1報 気管支喘息の診療コストについて(五十嵐 隆夫),1998 https://t.co/0bRNLCZyc7
こんな論文どうですか? 小児アレルギー性疾患治療におけるコストエフェクトに関する研究:第1報 気管支喘息の診療コストについて(五十嵐 隆夫),1998 https://t.co/0bRNLCZyc7

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