著者
細田 禎三 増田 昌英 宮尾 益英
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.449-459, 1987

小児細菌感染症15例にCefuzonam (L-105, CZON) を投与し, 髄液移行及び臨床効果の検討を行つた結果, 以下の結果が得られた。<BR>1. 本剤の髄液中及び血清中濃度を髄膜炎のない1例で検討した結果, 50mg/kg静注後1時間の髄液中, 血清中濃度は, それぞれ0.10, 18.1μg/mlであり, 髄液中・血清中濃度比は0.55%であつた。<BR>2. 細菌感染症15例に対する本剤の臨床効果は, 肺炎9例, 気管支炎1例, 扁桃炎1例, 尿路感染症1例の計12例は著効, 敗血症性関節炎1例, 敗血症1例, 化膿性髄膜炎1例の計3例は有効を示し, 有効率100%であつた。<BR>細菌学的効果は<I>Haemophilus influenzae</I> 4株, <I>Escherichia coli</I>, <I>Staphylococcus aureus</I>, <I>Streptococcus pneumoniae</I>, <I>Streptococcus pyogenes</I> 各1株の計8株は, すべて消失した。<BR>副作用は2例で, 軟便, 発疹の各1例であつたが, 臨床検査値に異常を認めなかつた。以上から, CZONは小児細菌感染症に対し有効且つ安全な薬剤であると考えられた。

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