- 著者
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久保田 由美子
中山 樹一郎
- 出版者
- Western Division of Japanese Dermatological Association
- 雑誌
- 西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
- 巻号頁・発行日
- vol.67, no.2, pp.141-146, 2005
- 被引用文献数
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市販鎮痛剤による多発性固定薬疹の2例を報告した。症例1は31歳の女性。12歳頃より生理痛にて市販鎮痛剤を毎月内服していた。29歳頃より四肢,肛囲の同じ部位に内服後痒性紅斑が出現し色素沈着を残すということを繰り返していた。皮疹部のパッチテスト(PT)でイブ<sup>®</sup>A,ニューカイテキ<sup>®</sup>Z,アリルイソプロピルアセチル尿素(AIAU)が陽性。DLSTはニューカイテキ<sup>®</sup>Zで陽性。以上よりAIAUを原因と確定した。症例2は33歳の男性。23歳頃より片頭痛にて月に1回,バファリン<sup>®</sup>,30歳より新セデス<sup>®</sup>錠を内服していた。初診の半年前より内服後,口腔内と両手に痛痒い紅斑が出現し,色素沈着を残すということを繰り返し,2日続けて内服後,重症の粘膜症状が出現し,ステロイド内服を必要とした。皮疹部のPTで新セデス<sup>®</sup>錠,セデリン<sup>®</sup>,エテンザミドが陽性。DLSTは新セデス<sup>®</sup>錠で陽性。以上よりエテンザミドを原因と確定した。2症例とも病歴より原因薬剤は特定できたが,原因成分の特定には皮疹部PTが有用であった。