著者
中山 樹一郎 古賀 哲也 占部 篤道 堀 嘉昭 桐生 美麿 野間 健 渕 曠二 安田 勝 八島 豊 吉利 優子 徳永 三千子 川野 正子 仁位 泰樹
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.1055-1064, 1994
被引用文献数
2

アトピー性皮膚炎患者69例に対し, ヒスタグロビン<SUP>®</SUP>(Histaglobin<SUP>®</SUP>: 以下HG)適量療法〔初回1 vialで4回投与後, 効果不十分例(軽度改善以下の症例)に対し, 2 vialに増量し4∼6回の投与を行う方法〕を実施し, その治療効果の検討を行うとともに, 同期間中のアレルギーパラメーター(血中好酸球数, 血中ヒスタミン値, 血漿ロイコトリエンB4(LTB4)値, 血清eosinophilic cationic protein(ECP)値)の変動を検討した。HG 1 vial投与における1st stage終了時の全般改善度は, 「中等度改善以上」42例, 60.9%であった。また, 1st stageでの効果不十分例, 即ち「軽度改善以下」の症例22例(脱落症例は除く)に対し, 2 vial投与を行った2nd stage終了時での全般改善度は, 「中等度改善以上」18例, 81.8%で, 2 vialに投与量を増量することにより改善度の上昇が認められた。試験期間中の副作用は1例も認めず, 概括安全度についても全例問題はなかった。1st stage終了時の有用度は, 「有用以上」で62.3%, 2nd stage終了時では72.7%と高い有用率が認められた。試験期間中, 測定しえた全症例のアレルギーパラメーターの推移では, 血中好酸球数, 血中ヒスタミン値, 血漿LTB4値には, HG投与前後に全体としては有意の変動は認められなかった。血清ECP値に1st stage終了時, 有意(P<0.05)の上昇が認められた。血清ECP値は好酸球数, 重症度に相関するようにみられたが, HGの臨床効果とは関係なかった。また, 試験開始時の血漿LTB4値が100pg/ml以上であった18例においては, 1st stage終了時きわめて有意(P<0.01)な低下が認められた。
著者
松尾 圭三 中山 樹一郎 七隈ロラタジン研究会
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 = The Nishinihon journal of dermatology (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.616-623, 2009-12-01
被引用文献数
1 1

小児の皮膚そう痒性疾患患児(15歳以下)91例に対し, 第二世代抗ヒスタミン薬であるロラタジンドライシロップ1%による臨床効果および薬剤の使用感等の検討を行った。主要評価項目であるそう痒・皮疹の程度は, ロラタジン投与開始1週後から有意な改善がみられ, 投与2週後もその改善効果は維持された。また, VASによるそう痒のスコアも同様の臨床効果を示した。全般改善度(改善以上)は91.3%であった。また, 安全性の面においては, 1例に鼻出血が認められたのみであり, 良好な忍容性を示した。さらに, 薬剤投与後の使用感等に関する調査では, 回答が得られた患児の90%以上が嫌がらずに飲み, 飲み忘れが全くなかったかほとんどなかった割合は94%であった。服用後, 数時間以内に効果が現れたと回答した割合は81%であり, 72%の患児または保護者が, 今後もこの薬剤を希望すると回答し, 希望しないと回答したのは5%であった。これらの結果により, 本剤は小児の皮膚そう痒性疾患に対する治療において, 極めて有用な薬剤であることが示唆された。
著者
久保田 由美子 中山 樹一郎
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.141-146, 2005
被引用文献数
1

市販鎮痛剤による多発性固定薬疹の2例を報告した。症例1は31歳の女性。12歳頃より生理痛にて市販鎮痛剤を毎月内服していた。29歳頃より四肢,肛囲の同じ部位に内服後痒性紅斑が出現し色素沈着を残すということを繰り返していた。皮疹部のパッチテスト(PT)でイブ<sup>®</sup>A,ニューカイテキ<sup>®</sup>Z,アリルイソプロピルアセチル尿素(AIAU)が陽性。DLSTはニューカイテキ<sup>®</sup>Zで陽性。以上よりAIAUを原因と確定した。症例2は33歳の男性。23歳頃より片頭痛にて月に1回,バファリン<sup>®</sup>,30歳より新セデス<sup>®</sup>錠を内服していた。初診の半年前より内服後,口腔内と両手に痛痒い紅斑が出現し,色素沈着を残すということを繰り返し,2日続けて内服後,重症の粘膜症状が出現し,ステロイド内服を必要とした。皮疹部のPTで新セデス<sup>®</sup>錠,セデリン<sup>®</sup>,エテンザミドが陽性。DLSTは新セデス<sup>®</sup>錠で陽性。以上よりエテンザミドを原因と確定した。2症例とも病歴より原因薬剤は特定できたが,原因成分の特定には皮疹部PTが有用であった。
著者
中山 樹一郎 堀 嘉昭
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.447-454, 1996

ヒノキチオール配合ハンドクリーム, リキッドソープ, ハンドウォッシュが新たに開発, 製品化された。これらの製品はヒノキチオールにアルミニウムジステアレートあるいは塩化アルミニウムが配合されヒノキチオール·アルミニウム錯体として安定性, 抗菌活性の強化がなされている。抗菌活性の基礎的検討をヒノキチオール50, 500, 1000各ppmで行い, 50ppmヒノキチオール·アルミニウムジステレート配合溶液がMRSA, MSSA, <I>P. aeruginosa</I>, <I>E. coli</I>に最も殺菌効果があることを見い出した。またハンドクリームのクリームベースに0.1%ヒノキチオールと0.5%アルミニウムジステアレートを配合したものはクリームベースあるいはクリームベースに0.1%ヒノキチオールを配合したものより統計学的に有意に高い抗菌活性を有していた。製品化されたハンドクリーム, リキッドソープ, ハンドウォッシュも抗菌活性を明らかに有しとくにリキッドソープ, ハンドウォッシュは極めて高い抗菌活性を示した。以上より細菌感染が重要な役割を演じている皮膚疾患のスキンケアーあるいは皮膚洗浄に本製品が有用であると思われた。
著者
吉田 雄一 中山 樹一郎
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.69-74, 2007 (Released:2007-03-05)
参考文献数
8

難治性の慢性そう痒性皮膚疾患に対する塩酸エピナスチンの有用性,安全性の検討を行った。他剤による前治療でコントロール不十分の比較的罹病期間の長い患者に対し塩酸エピナスチン1日1回(20mg)もしくは1日2回(40mg)の切り替え投与を行った。投与開始1週間後より両群において皮疹の程度,そう痒とも有意な改善がみられ,4週間投与にて著明な改善がみられた(92%)。安全性に関しては40mg投与群においても特に重篤な副作用は認められなかった。以上の結果より,各種難治性慢性そう痒性皮膚疾患の治療に本剤の20mgまたは40mg切り替え投与は有用であると考えられた。