著者
伊藤 元博 熊澤 伊和生 西尾 公利 森川 あけみ
出版者
Japanese College of Surgeons
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.132-135, 2011
被引用文献数
2 1

患者は40歳,男性.2日前より発熱,食欲低下,頸部腫脹にて他院通院中であった.意識レベル低下が出現し,救急車にて来院.救急外来で突然呼吸停止し,経鼻挿管を施行した.両頸部に発赤,腫脹を認め,入院時CTにて全頸部にガス像を認めた.ガス産生を伴う深頸部膿瘍による敗血症性ショックと診断しノルエピネフリンを0.3~0.9γ投与して全身管理し,全身状態が安定した入院後3日目の造影CTにて椎前間隙に膿瘍を認めたため,入院後3,5日目に切開排膿術を施行した.起炎菌は緑膿菌,嫌気性グラム陰性球菌の混合感染で,DRPM,CLDMを使用し,32日目まで洗浄処置を要した.64日目に右下顎智歯抜歯術を施行した.自験例は右下顎智歯の歯性感染症が原因で生じたガス産生を伴う深頸部膿瘍で,造影CT検査にて膿瘍形成を早期に発見し,至適な切開,抗菌薬の使用にて救命することができた.

言及状況

外部データベース (DOI)

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CiNii 論文 - 齲歯から生じたガス産生を伴う深頸部膿瘍の1例 - https://t.co/a7J9u91byu / 2011年の論文。親知らずの虫歯で発熱、食欲低下、頸部腫脹。救急車にて来院、救急外来で敗血症性ショックによる突然の呼吸停止。救命処置から原因除去まで64日。
親知らずの虫歯を放置していたことが原因で敗血性ショック状態となり呼吸停止。現代社会においても虫歯が原因で死にかける人は後を絶たない。 / CiNii 論文 - 齲歯から生じたガス産生を伴う深頸部膿瘍の1例 - http://t.co/CxplUCuT7M

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