著者
青木 文彦
出版者
一般社団法人 日本創傷外科学会
雑誌
創傷
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.174-180, 2012

陥入爪の治療に関しては従来より多くの手術的治療法, 保存的治療法が報告されているが, 巻き爪に関しては比較的少ない。 しかし高齢者に多いとされる巻き爪に悩む患者数は非常に多く, また過去に陥入爪手術を受けた爪もその後巻き爪になることがあるため, 潜在患者数は相当数になると考えられる。 本稿では, 近年普及しているワイヤー式爪矯正治療が巻き爪に対して効果的であるだけでなく, 補助療法を加えることでさまざまな病態の陥入爪にも対応できることを示した。 また巻き爪と陥入爪の病態にも触れ, 日常生活のなかでさまざまな病態に変わり得る爪の治療に対し, どのようなスタンスをもって対応をすべきかを考察した。 そしておのおのの病態に対応していくには保存的治療が適しているという考えにいたり, これがワイヤー式爪矯正を中心とした保存的治療を選択する理由となったことを報告する。

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