著者
青木 文彦
出版者
一般社団法人 日本フットケア学会
雑誌
日本フットケア学会雑誌 (ISSN:21877505)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.200-207, 2018-12-25 (Released:2018-12-25)
参考文献数
24

【要旨】陥入爪と巻き爪は一般診療所においても診察の機会の多い疾患であり,それを扱う診療科も多岐にわたる.しかしながら,これらの疾患が異なる病態であることは,充分に理解されているとはいえない.陥入爪は男女ともに若年者に多く,陥入爪準備状態の爪に対して様々な外因によって引き起こされる一過性の病態といえる.一方,巻き爪は中・高年齢の女性に多く,爪そのものが様々な原因により変形していく継続的な病態と考えられる.
著者
青木 文彦
出版者
一般社団法人 日本創傷外科学会
雑誌
創傷
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.174-180, 2012

陥入爪の治療に関しては従来より多くの手術的治療法, 保存的治療法が報告されているが, 巻き爪に関しては比較的少ない。 しかし高齢者に多いとされる巻き爪に悩む患者数は非常に多く, また過去に陥入爪手術を受けた爪もその後巻き爪になることがあるため, 潜在患者数は相当数になると考えられる。 本稿では, 近年普及しているワイヤー式爪矯正治療が巻き爪に対して効果的であるだけでなく, 補助療法を加えることでさまざまな病態の陥入爪にも対応できることを示した。 また巻き爪と陥入爪の病態にも触れ, 日常生活のなかでさまざまな病態に変わり得る爪の治療に対し, どのようなスタンスをもって対応をすべきかを考察した。 そしておのおのの病態に対応していくには保存的治療が適しているという考えにいたり, これがワイヤー式爪矯正を中心とした保存的治療を選択する理由となったことを報告する。