著者
道脇 幸博 ⻆ 保徳
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.366-368, 2014

誤嚥性肺炎予防の社会的意義を明らかにするために,70 歳以上の高齢者のうち誤嚥性肺炎で入院している患者総数と国民医療費をもとめた。肺炎による入院患者総数は,平成 23 年度に厚生労働省が行った全病院・診療所に関する悉皆調査からの実数とした。70 歳以上の入院肺炎のなかで高齢者の占める割合と高齢者の肺炎のうち誤嚥性肺炎の割合は,文献値を採用した。また肺炎による入院費用は,都内の三次救急病院の平成 23 年度の入院費用を代表値とした。 その結果,70 歳以上の高齢者では毎日 2 万人が誤嚥性肺炎で入院しており,年間の入院費用は約 4,450 億円と推計され,医療費用の観点で誤嚥性肺炎予防の社会的な意義が示された。

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