著者
仮屋崎 圭司 日比野 直彦 森地 茂
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.67_I_1001-67_I_1010, 2011

首都圏の鉄道は,高密度な鉄道網整備,列車の長編成化,高頻度運行,相互直通運転の実施,ホームドアの設置等により,広域かつ巨大な通勤需要を正確かつ安全に輸送可能とした世界に誇れるシステムである.しかし,現在,輸送障害に至らない慢性的な遅延が顕在化し,新たな問題として生じている.そこで本研究では,遅延の発生・波及の要因について,列車運行の実績値データを用いた分析を行うとともに,列車の運行挙動を再現するシミュレーションモデルを構築した.また,それ用いて列車間隔に起因する遅延の波及と拡大の現象を定量的に示したうえで,列車運行における遅延対策の課題を抽出する.最後に,遅延発生後における遅延拡大の抑制方法と,遅延の早期回復方法について得られた示唆を報告する.

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