著者
奥村 友利愛 吉城 秀治 辰巳 浩 堤 香代子 今里 鈴花
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_911-I_922, 2019 (Released:2019-12-26)
参考文献数
27

人々にとって身近な移動手段である路線バスは誰にでも使いやすいものであることが望まれる.しかし多くの場合,基本的な情報が利用者にわかりやすい形で提供されておらず,そのため乗る際の心理的抵抗が大きいと指摘されるような状況にある.そこで本研究では,バス利用に関わる案内の中でも路線図に着目し,デザインの観点からその実態を把握し,路線図のデザインと人々の「わかりやすさ」との関係を明らかにすることを目的とし評価実験を行った.そのためにまず全国に存在する241件の路線図に対してクラスター分析による類型化を行い6パターンに分類した.そして各パターンの路線図に対して経路探索による評価実験を行い,路線図を見る際の人の挙動と意識の面からわかりやすさに関する要因について明らかにした.
著者
兵藤 哲朗 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.110-112, 2021 (Released:2021-06-20)

新型コロナウイルス感染症,いわゆるCOVID-19の感染拡大は,土木計画学分野の研究者が研究対象としてきた都市活動,交通行動,経済・産業活動に対して大きな影響をもたらした.ついては本特集は,土木計画学研究委員会が主催し2020年8月8日に開催した「COVID-19に関する土木計画学研究発表セミナー」での発表論文を中心として,COVID-19の感染拡大に伴うそれらの諸行動,諸活動,ならびに諸対策にまつわる各種の土木計画学研究を掲載するものである.
著者
小池 淳司 平井 健二 佐藤 啓輔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.388-399, 2012 (Released:2012-12-20)
参考文献数
23
被引用文献数
3

道路整備は,人やモノの移動時間を短縮させ,中長期的には,産業の活性化,人口集積など地域の社会・経済構造を変化させる.一方,そのような社会的メリットは,全国一律に享受できるものではなく沿線地域を中心に偏在化し,地域によっては,地元企業の衰退等のデメリットが存在することも知られている.この発展する地域・衰退する地域がどのように分かれるかは,今後の道路整備を考える上で重要な要素であり,客観的な分析が求められる.本研究では,中国地方の過去の高速道路整備が人口構造や産業活動に与えた影響を固定効果モデルにより事後的なパネルデータ分析を行った.その結果,高速道路と産業活動との間には,多くの地域で正の関係性が確認される一方で,人口構造との間には,地方部での負の関係性があることなど空間的な偏在化が示された.
著者
中川 大 松中 亮治 大庭 哲治 中山 偉人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.I_1357-I_1363, 2012 (Released:2013-12-25)
参考文献数
9
被引用文献数
2

現在,日本の多くの都市において,公共交通空白地帯の解消を目的としたコミュニティバスが運行されている.コミュニティバスには法律上の明確な定義はなく,自治体と事業者の費用負担も様々である.そこで本研究は,運行事業者の違いや自治体の費用負担の仕方の違いなどに着目してコミュニティバスの運行費用との関係を分析することを目的とし,京都府内の21自治体を対象にアンケート調査およびインタビューを実施し,運行にかかる総費用と運賃収入について分析した.その結果,地域の運行協議会により運行されるコミュニティバスの運行費用は,従来から独自に定時定路線運行をしてきた路線バス事業者により運行されるコミュニティバスよりも走行時間あたりの運行費用が安いなど,運行事業者の違いが運行費用に影響を与えていることを明らかにした.
著者
市原 慎介 吉田 進悟 小嶋 文 久保田 尚
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.67_I_1165-67_I_1172, 2011 (Released:2012-12-28)
参考文献数
9

本研究では,住宅街の狭幅員生活道路におけるハンプ設置の有効性の検証を目的とし,複数のハンプを短区間で連続設置することによる効果について検証した.社会実験の結果,短い間隔でハンプを連続設置することで,対象道路を走行する自動車の通過速度が著しく抑制され,道路全体の安全性・快適性の向上を図ることができた.従来影響が心配されてきたハンプ設置に伴う振動・騒音の発生に関しても,本実験のハンプ設置方法によって周辺環境に影響を及ぼさない程度に十分抑制されることが確認できた.また,対象道路の周辺住民の多くは住宅街におけるハンプの設置に関して高い評価をしており,本実験を通し,ハンプの短区間連続設置による交通静穏化に関する有効性を強く確認することができた.
著者
小川 圭一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.288-303, 2016 (Released:2016-10-20)
参考文献数
41
被引用文献数
1

本研究では,出発地・目的地間の自転車の車道横断回数を考慮して,自転車の通行方向を左側のみの一方向通行とする整備や規制をおこなった場合と,双方向通行とする整備をおこなった場合との,出発地・目的地間の交通事故遭遇確率の比較をおこなう.具体的には,格子状の道路ネットワークをもつ京都市中心部と,非格子状の道路ネットワークをもつ京都市郊外の洛西ニュータウン付近とを対象として,出発地・目的地間の交通事故遭遇確率の算定をおこない,格子状,非格子状といった道路ネットワーク形状に関する特性と,自転車の通行位置と通行方向による交通事故遭遇確率との関係について比較をおこなう.
著者
稲垣 具志 寺内 義典 橘 たか 大倉 元宏
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_933-I_941, 2014 (Released:2015-05-18)
参考文献数
10

これまで,通過交通が問題となる生活道路では,抜け道利用者に着目した交通安全対策が多く実施されてきた.本稿は,抜け道利用者ではない地区関係者の走行速度に着目し,抜け道利用者の速度との傾向の違いについて明らかにすることで,地区関係者向けの安全啓発・教育を実施する意義について検討することを目的とする.東京都内の2地域を対象としてナンバープレート調査と走行速度調査を同時に実施し,地区関係者と抜け道利用者別の走行速度分布を取得した.これらを比較したところ,地区関係者には抜け道利用者と比べて低速走行する傾向が一部確認できたが,地区関係者においても生活道路を高速走行する運転者が無視できない程度に存在し,地区関係者を対象とした速度低減対策を構築する必要性が示された.
著者
谷口 綾子 川村 竜之介 赤澤 邦夫 岡本 ゆきえ 桐山 弘有助 佐藤 桃
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_309-I_316, 2013 (Released:2014-12-15)
参考文献数
13

本研究では,運動着(ジャージ・スウェット)の日常的な着用が大学内の景観と授業態度に与える影響を定量的に明らかにするため,運動着での登校が学内の景観イメージにネガティブな影響を及ぼす,運動着での登校と授業態度との間にネガティブな関係が存在する,との二つの仮説を措定し,筑波大学の学生を対象としたアンケート調査により検証した.その結果,運動着での登校は大学内の景観イメージに「似合わない」とネガティブな影響を及ぼすこと,運動着で登校している学生は遅刻や居眠りをする度合いが高いなど授業態度との間にネガティブな関係が存在することが明らかとなった.また,公共交通で通学する学生の方が,そうで無い人と比べ運動着登校経験が少ないこと,運動着登校経験がある人の方が運動着登校にポジティブな意見を持つことが示された.
著者
吉城 秀治 辰巳 浩 堤 香代子 西坂 従道
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_81-I_90, 2015 (Released:2015-12-21)
参考文献数
18

幼少期の経験や体験は,その後の生き方に影響を及ぼしてくることが様々な分野において示されている.幼少期における都心での経験や体験を捉え,現在の都心への指向性との関係を明らかにしていくことで,将来にわたって都心に人々を惹きつけ続けるための知見が得られるものと考えられる.本研究は,福岡市民を対象にアンケート調査を実施し,都心での幼少期の関わりの実態や思い出について分析した.その結果,幼少期における都心の思い出には,百貨店での食事や屋上遊園地での遊びなどの思い出があげられていた.また,これらの思い出の中でも,特に都心での遊び体験を軸とした多様な体験,経験が現在においても都心を指向させる要因になり得ることが示されている.
著者
稲垣 具志 寺内 義典 橘 たか 大倉 元宏
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_933-I_941, 2014

これまで,通過交通が問題となる生活道路では,抜け道利用者に着目した交通安全対策が多く実施されてきた.本稿は,抜け道利用者ではない地区関係者の走行速度に着目し,抜け道利用者の速度との傾向の違いについて明らかにすることで,地区関係者向けの安全啓発・教育を実施する意義について検討することを目的とする.東京都内の2地域を対象としてナンバープレート調査と走行速度調査を同時に実施し,地区関係者と抜け道利用者別の走行速度分布を取得した.これらを比較したところ,地区関係者には抜け道利用者と比べて低速走行する傾向が一部確認できたが,地区関係者においても生活道路を高速走行する運転者が無視できない程度に存在し,地区関係者を対象とした速度低減対策を構築する必要性が示された.
著者
西内 裕晶 川崎 智也 轟 朝幸 牧野 悠輔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.I_1177-I_1185, 2016 (Released:2016-12-23)
参考文献数
15

本研究は,近年,その実施が増えている中学生を対象としたスケアード・ストレイト的自転車交通安全教室に着目し,講話や自転車乗車講習のような従来の自転車交通安全教室と比べて,教室実施前と実施後で受講者の安全意識の変化を分析した.具体的には,2種類の自転車交通安全教室を別々の中学校にて実施し,安全教室の実施前,実施直後,実施1ヶ月後において,法令理解,危険認知(危険察知,回避行動,実践意志,危険回避)についてアンケート調査を実施し,調査結果を安全教室の種類の違いにより比較するものである.その結果,スケアード・ストレイトの有無により安全意識に顕著な違いや変化は見られないものの,危険認知度については実施しない場合よりも経時変化が少ないことが分かった.
著者
横関 俊也 萩田 賢司 矢野 伸裕 森 健二
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.I_1095-I_1104, 2016 (Released:2016-12-23)
参考文献数
20
被引用文献数
1

本研究では,千葉県東葛地域を対象として,通行方法別に分類した自転車の遭遇台数調査のデータと自動車と自転車間で発生した事故の統計データを用い,自転車の通行方法別に事故率の比較を行った.その結果,進行サイドでの比較では,車道における自転車の右側通行の危険性は左側通行の2.8倍高くなった.歩道においても同様に自転車の右側通行の危険性は左側通行の2.7倍高いという結果になった.また,通行位置による比較では,自転車の歩道走行(左側通行・右側通行)と比較した車道走行(左側通行)の危険性は3.0倍となり,車道走行の危険性が高くなっていた.以上により,自転車に通行方法を遵守させるためにも,より安全な自転車の車道走行環境を形成していく必要性が示唆された.
著者
笈田 翔平 佐藤 慎祐 白水 靖郎 松島 敏和 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.I_563-I_572, 2012 (Released:2013-12-25)
参考文献数
14

本研究では,現行のPT調査データと商業統計調査データを横断的に活用し,それらの関連分析を実施した上で,「目的別・交通手段別集中交通量」と「小売業業態別店舗面積」に基づいて「ゾーン毎・業態別年間販売額」を算定する「商業売上予測モデル」の構築を試みた.そして,それらの関連分析及びモデル構築の結果,「商業売上」と「集中交通量」の間には明確に正の相関があり,加えて,交通目的や手段の相違によっても商業売上への影響度合いが異なることが明らかとなった.さらに,構築した商業売上予測モデルの感度分析を実施した結果,手段分担率の変化は商業売上の増減に大きく影響することが確認され,とりわけ,買物活動を企図としたトリップの交通手段を公共交通へとシフトさせることは商業の活力向上にとって重要な要件であることが分かった.
著者
谷本 智 小嶋 文 久保田 尚
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_1135-I_1146, 2014 (Released:2015-05-18)
参考文献数
14

生活道路に流入する抜け道交通は交通安全上大きな問題である.既存の取り組みとしてハンプや狭さくなど速度抑制デバイスが用いられてきたが,抜け道交通のみを判別して取り除くことは困難であり根本の解決には至っていない.そこで本研究では欧州で普及しているライジングボラードに着目した.ライジングボラードは,抜け道車両の選択的排除が可能なツールであり,公道では未導入である日本における導入の可能性を検討するため埼玉大学構内において運用実験を行い,基礎研究として研究成果の蓄積を行った.被験者を用いた通行実験から,通行抑制効果が明らかになり抜け道対策としての有効性が示された.また車両との接触時の安全性,悪天候などの状況下での正常な作動が確かめられるなど,導入に向けた有益な知見を得ることができた.
著者
福田 大輔 力石 真
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_497-I_510, 2013 (Released:2014-12-15)
参考文献数
80
被引用文献数
1

本稿では,離散-連続モデルの研究動向に関するレビューを行った.まず,研究の系譜を (1) ミクロ経済理論より演繹的に導出される構造型モデル,(2) 現象記述の自由度を高めることに主眼を置いた誘導型モデルに大別し,各特徴を整理した.その上で,(a) 経済理論への整合性を重視する場合にはキューンタッカー条件より導出される構造型モデルの適用が望ましいこと,(b) 現象記述や不完全観測下での行動モデルを構築する場合には誘導型モデルの方が現象記述の自由度が高いこと,(c) 両系譜の特徴を活かすことで,経済理論を踏まえつつ現象記述の自由度を高めた折衷型モデルの構築が可能であること等を明らかにした.最後に,交通行動分析分野における離散-連続モデルの適用事例を体系的に整理し,今後の研究の方向性についての展望をまとめた.
著者
森本 瑛士 赤星 健太郎 結城 勲 河内 健 谷口 守
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_345-I_354, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
40
被引用文献数
6

現在日本において人口減少社会に対応した「コンパクト+ネットワーク」を実現するための都市計画が進んでいる.また地方分権の進展とともに市町村単位の都市計画が進められているが,その計画は広域的な視点から見たときの整合性(広域的整合性)を確保できているか疑問が残る.本研究は市町村における都市計画が広域的整合性を確保できているのか把握することを目的とする.具体的な方法として,市町村MPで記載されている将来都市構造図に着目し,県域レベルの市町村MP連結図を作成することで都市計画の広域的整合性を把握した.作成した連結図から,市町村の「コンパクト+ネットワーク」を実現するための都市計画は広域的整合性を確保できておらず,各市町村MPが断片化していることを明らかにし,各市町村で都市計画を一致させる必要性を示唆した.
著者
本村 真澄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.339-358, 2011 (Released:2011-08-19)
参考文献数
40

本稿では,帝政ロシア,ソビエト連邦,ロシア連邦における石油・天然ガスパイプラインの建設の歴史を概観し,その政治的な影響に関しても検討する.石油パイプラインでは東欧向けの「友好」パイプラインのように政治的な支配圏維持を目的としたものもあるが,1970年代のロシアから西欧向けの天然ガスパイプラインは,「緊張緩和」を前提としたもので,ソビエト連邦の崩壊を挟んで40年近く,安定的にガスを供給しており,政治的な「武器」としてではなく,むしろ地域の「安定装置」として機能してきた.今日,ロシアの石油パイプラインは太平洋に達しようとしており,天然ガスパイプラインも極東地域での配備が進んでいる.日本にとってこれはエネルギー安全保障上有利となる動きであり,これへの関与の姿勢が問われている.
著者
谷口 綾子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.67_I_1103-67_I_1112, 2011 (Released:2012-12-28)
参考文献数
12

カーシェアリング(以下CS)は欧米諸国で一定の成功を収めているものの,我が国での加入者は未だ単体で採算が取れるレベルには至っていない.本研究では,CSを大規模事業所である大学に導入した筑波大学を事例として,その導入経緯について需要予測と利用促進を中心に紹介するとともに課題を整理した.筑波大学のCS潜在需要予測で用いたBI法による推計結果は,導入後1年半現在の加入者数とほぼ同じ水準であり,BI法の妥当性が検証された.また,体育の授業を介した利用促進策は,これまでバスの利用促進等で成功してきた方法であるにも関わらず期待された結果とならず,CSの特殊性が明らかになった.今後は環境負荷や自動車保有状況の変化等の効果を長期的に計測していく必要がある.
著者
鈴木 邦夫 森本 励 高山 純一 片岸 将広 松矢 裕一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_197-I_204, 2013 (Released:2014-12-15)
参考文献数
10

金沢市では,平成23年2月に,学識者,国土交通省金沢河川国道事務所,石川県,金沢市,石川県警察本部及び所轄警察署から構成される「金沢自転車ネットワーク協議会」が設立され,平成24年3月に「金沢自転車通行空間整備ガイドライン(案)」を策定した.安全で快適な自転車通行空間整備にあたっては,自転車が走行すべき「車道の左側端」を明示する必要がある.しかし,自転車通行空間の幅員と自動車走行速度(規制速度)の関係については,十分に明らかにされていないのが実態である.そこで本稿では,金沢市内で実施した自転車走行調査の結果をもとに,自転車通行空間の幅員と自動車走行速度(規制速度)との関係について分析・考察することを目的とする.
著者
矢澤 拓也 金 利昭
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_755-I_764, 2015
被引用文献数
4

本研究の目的は,普通自転車専用通行帯や自転車走行指導帯といった自転車レーンにおける自転車の利用実態を,昼間だけでなく夜間の自転車利用にも着目して明らかにすることである.交通量調査より,同一路線内でも整備状態の異なる箇所では自転車の通行位置割合が異なり,夜間には歩道や車道の整備状態によらず歩道通行の割合が10%程度増加することがわかった.アンケート調査より,昼間に比べ夜間の通行時に車や歩行者の交通量の減少,路面の色等の視認性低下を感じているが,通行位置選択では昼夜問わず,路面の「なめらかさ」や「車の交通量」「車との距離」を重視することがわかった.昼間は車道で夜間は歩道を通行する自転車利用者は,車からの視認性等の安全性を重視しており夜間には車と距離をとることができる歩道を通行することが推察された.