著者
上田 大貴 川端 祐一郎 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.II_668-II_676, 2022 (Released:2022-04-20)
参考文献数
24

2020年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は,健康被害のみならず,感染症対策のための社会活動制限を通じて,経済にも大きな損失をもたらした.本研究では,2020年第2・第3四半期において,新型コロナウイルス感染症対策のための行動制限が各国のGDPに与えた影響を44ヵ国のデータを用いて検討し,行動制限がGDPを大きく低下させることを確認する.また,データの比較が可能なG7各国について,労働者の賃金に対する政府補償の充実度合いが行動制限及びその緩和に与える影響についての実証研究を行った.その結果,政府による補償の充実は感染拡大を抑止するための行動制限を促進する効果とともに,制限の解除時においては経済活性化の促進効果を持つことが示唆された.
著者
奥村 友利愛 吉城 秀治 辰巳 浩 堤 香代子 今里 鈴花
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_911-I_922, 2019 (Released:2019-12-26)
参考文献数
27

人々にとって身近な移動手段である路線バスは誰にでも使いやすいものであることが望まれる.しかし多くの場合,基本的な情報が利用者にわかりやすい形で提供されておらず,そのため乗る際の心理的抵抗が大きいと指摘されるような状況にある.そこで本研究では,バス利用に関わる案内の中でも路線図に着目し,デザインの観点からその実態を把握し,路線図のデザインと人々の「わかりやすさ」との関係を明らかにすることを目的とし評価実験を行った.そのためにまず全国に存在する241件の路線図に対してクラスター分析による類型化を行い6パターンに分類した.そして各パターンの路線図に対して経路探索による評価実験を行い,路線図を見る際の人の挙動と意識の面からわかりやすさに関する要因について明らかにした.
著者
兵藤 哲朗 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.110-112, 2021 (Released:2021-06-20)

新型コロナウイルス感染症,いわゆるCOVID-19の感染拡大は,土木計画学分野の研究者が研究対象としてきた都市活動,交通行動,経済・産業活動に対して大きな影響をもたらした.ついては本特集は,土木計画学研究委員会が主催し2020年8月8日に開催した「COVID-19に関する土木計画学研究発表セミナー」での発表論文を中心として,COVID-19の感染拡大に伴うそれらの諸行動,諸活動,ならびに諸対策にまつわる各種の土木計画学研究を掲載するものである.
著者
小池 淳司 平井 健二 佐藤 啓輔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.388-399, 2012 (Released:2012-12-20)
参考文献数
23
被引用文献数
4 5

道路整備は,人やモノの移動時間を短縮させ,中長期的には,産業の活性化,人口集積など地域の社会・経済構造を変化させる.一方,そのような社会的メリットは,全国一律に享受できるものではなく沿線地域を中心に偏在化し,地域によっては,地元企業の衰退等のデメリットが存在することも知られている.この発展する地域・衰退する地域がどのように分かれるかは,今後の道路整備を考える上で重要な要素であり,客観的な分析が求められる.本研究では,中国地方の過去の高速道路整備が人口構造や産業活動に与えた影響を固定効果モデルにより事後的なパネルデータ分析を行った.その結果,高速道路と産業活動との間には,多くの地域で正の関係性が確認される一方で,人口構造との間には,地方部での負の関係性があることなど空間的な偏在化が示された.
著者
中川 大 松中 亮治 大庭 哲治 中山 偉人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.I_1357-I_1363, 2012 (Released:2013-12-25)
参考文献数
9
被引用文献数
3

現在,日本の多くの都市において,公共交通空白地帯の解消を目的としたコミュニティバスが運行されている.コミュニティバスには法律上の明確な定義はなく,自治体と事業者の費用負担も様々である.そこで本研究は,運行事業者の違いや自治体の費用負担の仕方の違いなどに着目してコミュニティバスの運行費用との関係を分析することを目的とし,京都府内の21自治体を対象にアンケート調査およびインタビューを実施し,運行にかかる総費用と運賃収入について分析した.その結果,地域の運行協議会により運行されるコミュニティバスの運行費用は,従来から独自に定時定路線運行をしてきた路線バス事業者により運行されるコミュニティバスよりも走行時間あたりの運行費用が安いなど,運行事業者の違いが運行費用に影響を与えていることを明らかにした.
著者
市原 慎介 吉田 進悟 小嶋 文 久保田 尚
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.67_I_1165-67_I_1172, 2011 (Released:2012-12-28)
参考文献数
9

本研究では,住宅街の狭幅員生活道路におけるハンプ設置の有効性の検証を目的とし,複数のハンプを短区間で連続設置することによる効果について検証した.社会実験の結果,短い間隔でハンプを連続設置することで,対象道路を走行する自動車の通過速度が著しく抑制され,道路全体の安全性・快適性の向上を図ることができた.従来影響が心配されてきたハンプ設置に伴う振動・騒音の発生に関しても,本実験のハンプ設置方法によって周辺環境に影響を及ぼさない程度に十分抑制されることが確認できた.また,対象道路の周辺住民の多くは住宅街におけるハンプの設置に関して高い評価をしており,本実験を通し,ハンプの短区間連続設置による交通静穏化に関する有効性を強く確認することができた.
著者
桑原 雅夫 井料 美帆
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_493-I_505, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
17

本研究は,古の都である平安京について,人々の移動パターンと貴族の動きを定量的に解析し,考察を加えたものである.平安京については,道路ネットワークの構造や道幅など幾何構造に関することは,よく知られているものの,その中で人々がどこに立地し,どのように移動していたのかについては,ほとんど調査分析が行われていない.本研究では,まず平安京やその前の律令時代の文献に基づいて,平安京の土地利用,身分別の住居の分布を推定した.次に,土地利用や住居分布に基づいてOD交通量を推定して交通量配分を行い,平安京街路の交通量について考察を行った.また,特権階級であった少数の貴族については,一般の庶民や役人の動きとは異なることから,別途に藤原実資の小右記に基づいて再現した.
著者
小川 圭一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.288-303, 2016 (Released:2016-10-20)
参考文献数
41
被引用文献数
2

本研究では,出発地・目的地間の自転車の車道横断回数を考慮して,自転車の通行方向を左側のみの一方向通行とする整備や規制をおこなった場合と,双方向通行とする整備をおこなった場合との,出発地・目的地間の交通事故遭遇確率の比較をおこなう.具体的には,格子状の道路ネットワークをもつ京都市中心部と,非格子状の道路ネットワークをもつ京都市郊外の洛西ニュータウン付近とを対象として,出発地・目的地間の交通事故遭遇確率の算定をおこない,格子状,非格子状といった道路ネットワーク形状に関する特性と,自転車の通行位置と通行方向による交通事故遭遇確率との関係について比較をおこなう.
著者
遠山 航輝 川端 祐一郎 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.I_213-I_223, 2022 (Released:2022-05-18)
参考文献数
26

近年我が国では,政治的論争はいくつかあるものの大規模な「政治運動」は起きていないことが,他の先進諸国と比べた顕著な特徴であると言える.これは「政治的無関心」の問題であるだけでなく,日本人が政治に対して抱いている「忌避感」の問題だとも言われるが,この忌避感についてはこれまで学術的な解明は不十分な状況にある.本研究ではこの忌避感を日本人が政治に対して持っている「恐怖・軽蔑感」と捉え,これに「対立忌避傾向」「大衆性」「非ニヒリスト度」が影響を与えているという仮説を設定し,検証を行った.その結果,「対立忌避傾向」や「大衆性」の下位因子である「自己閉塞性」および「傲慢性」が高い人ほど「政治恐怖・軽蔑度」が高くなること,「非ニヒリスト度」が高い人ほど「政治恐怖・軽蔑度」が低くなることが示された.
著者
本村 真澄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.339-358, 2011 (Released:2011-08-19)
参考文献数
40

本稿では,帝政ロシア,ソビエト連邦,ロシア連邦における石油・天然ガスパイプラインの建設の歴史を概観し,その政治的な影響に関しても検討する.石油パイプラインでは東欧向けの「友好」パイプラインのように政治的な支配圏維持を目的としたものもあるが,1970年代のロシアから西欧向けの天然ガスパイプラインは,「緊張緩和」を前提としたもので,ソビエト連邦の崩壊を挟んで40年近く,安定的にガスを供給しており,政治的な「武器」としてではなく,むしろ地域の「安定装置」として機能してきた.今日,ロシアの石油パイプラインは太平洋に達しようとしており,天然ガスパイプラインも極東地域での配備が進んでいる.日本にとってこれはエネルギー安全保障上有利となる動きであり,これへの関与の姿勢が問われている.
著者
市井 健吾 室町 泰徳
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_1251-I_1258, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
10

道徳観を問われる社会問題は都市・交通分野をはじめとした土木計画分野を含め,私たちの身近で多く発生している.この問題解決に向け,非協力行動をとる人に対して協力行動をとるよう行動変容を促す必要があり,そのために「道徳意識」を変化させる必要がある.本研究は,特定の状況下におかれた人間の脳機能を計測するための装置としてfMRIを使用し,道徳意識を問われるような状況におかれた人間の脳機能を計測した.道徳意識を神経科学的な側面から分析した結果,協力行動と非協力行動を取る人では賦活部位に相違があることが示された.
著者
稲垣 具志 寺内 義典 橘 たか 大倉 元宏
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_933-I_941, 2014 (Released:2015-05-18)
参考文献数
10
被引用文献数
6

これまで,通過交通が問題となる生活道路では,抜け道利用者に着目した交通安全対策が多く実施されてきた.本稿は,抜け道利用者ではない地区関係者の走行速度に着目し,抜け道利用者の速度との傾向の違いについて明らかにすることで,地区関係者向けの安全啓発・教育を実施する意義について検討することを目的とする.東京都内の2地域を対象としてナンバープレート調査と走行速度調査を同時に実施し,地区関係者と抜け道利用者別の走行速度分布を取得した.これらを比較したところ,地区関係者には抜け道利用者と比べて低速走行する傾向が一部確認できたが,地区関係者においても生活道路を高速走行する運転者が無視できない程度に存在し,地区関係者を対象とした速度低減対策を構築する必要性が示された.
著者
谷口 綾子 川村 竜之介 赤澤 邦夫 岡本 ゆきえ 桐山 弘有助 佐藤 桃
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_309-I_316, 2013 (Released:2014-12-15)
参考文献数
13

本研究では,運動着(ジャージ・スウェット)の日常的な着用が大学内の景観と授業態度に与える影響を定量的に明らかにするため,運動着での登校が学内の景観イメージにネガティブな影響を及ぼす,運動着での登校と授業態度との間にネガティブな関係が存在する,との二つの仮説を措定し,筑波大学の学生を対象としたアンケート調査により検証した.その結果,運動着での登校は大学内の景観イメージに「似合わない」とネガティブな影響を及ぼすこと,運動着で登校している学生は遅刻や居眠りをする度合いが高いなど授業態度との間にネガティブな関係が存在することが明らかとなった.また,公共交通で通学する学生の方が,そうで無い人と比べ運動着登校経験が少ないこと,運動着登校経験がある人の方が運動着登校にポジティブな意見を持つことが示された.
著者
吉城 秀治 辰巳 浩 堤 香代子 西坂 従道
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_81-I_90, 2015 (Released:2015-12-21)
参考文献数
18
被引用文献数
3

幼少期の経験や体験は,その後の生き方に影響を及ぼしてくることが様々な分野において示されている.幼少期における都心での経験や体験を捉え,現在の都心への指向性との関係を明らかにしていくことで,将来にわたって都心に人々を惹きつけ続けるための知見が得られるものと考えられる.本研究は,福岡市民を対象にアンケート調査を実施し,都心での幼少期の関わりの実態や思い出について分析した.その結果,幼少期における都心の思い出には,百貨店での食事や屋上遊園地での遊びなどの思い出があげられていた.また,これらの思い出の中でも,特に都心での遊び体験を軸とした多様な体験,経験が現在においても都心を指向させる要因になり得ることが示されている.
著者
稲垣 具志 寺内 義典 橘 たか 大倉 元宏
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_933-I_941, 2014
被引用文献数
6

これまで,通過交通が問題となる生活道路では,抜け道利用者に着目した交通安全対策が多く実施されてきた.本稿は,抜け道利用者ではない地区関係者の走行速度に着目し,抜け道利用者の速度との傾向の違いについて明らかにすることで,地区関係者向けの安全啓発・教育を実施する意義について検討することを目的とする.東京都内の2地域を対象としてナンバープレート調査と走行速度調査を同時に実施し,地区関係者と抜け道利用者別の走行速度分布を取得した.これらを比較したところ,地区関係者には抜け道利用者と比べて低速走行する傾向が一部確認できたが,地区関係者においても生活道路を高速走行する運転者が無視できない程度に存在し,地区関係者を対象とした速度低減対策を構築する必要性が示された.
著者
西内 裕晶 川崎 智也 轟 朝幸 牧野 悠輔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.I_1177-I_1185, 2016 (Released:2016-12-23)
参考文献数
15

本研究は,近年,その実施が増えている中学生を対象としたスケアード・ストレイト的自転車交通安全教室に着目し,講話や自転車乗車講習のような従来の自転車交通安全教室と比べて,教室実施前と実施後で受講者の安全意識の変化を分析した.具体的には,2種類の自転車交通安全教室を別々の中学校にて実施し,安全教室の実施前,実施直後,実施1ヶ月後において,法令理解,危険認知(危険察知,回避行動,実践意志,危険回避)についてアンケート調査を実施し,調査結果を安全教室の種類の違いにより比較するものである.その結果,スケアード・ストレイトの有無により安全意識に顕著な違いや変化は見られないものの,危険認知度については実施しない場合よりも経時変化が少ないことが分かった.
著者
横関 俊也 萩田 賢司 矢野 伸裕 森 健二
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.I_1095-I_1104, 2016 (Released:2016-12-23)
参考文献数
20
被引用文献数
1

本研究では,千葉県東葛地域を対象として,通行方法別に分類した自転車の遭遇台数調査のデータと自動車と自転車間で発生した事故の統計データを用い,自転車の通行方法別に事故率の比較を行った.その結果,進行サイドでの比較では,車道における自転車の右側通行の危険性は左側通行の2.8倍高くなった.歩道においても同様に自転車の右側通行の危険性は左側通行の2.7倍高いという結果になった.また,通行位置による比較では,自転車の歩道走行(左側通行・右側通行)と比較した車道走行(左側通行)の危険性は3.0倍となり,車道走行の危険性が高くなっていた.以上により,自転車に通行方法を遵守させるためにも,より安全な自転車の車道走行環境を形成していく必要性が示唆された.
著者
笈田 翔平 佐藤 慎祐 白水 靖郎 松島 敏和 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.I_563-I_572, 2012 (Released:2013-12-25)
参考文献数
14

本研究では,現行のPT調査データと商業統計調査データを横断的に活用し,それらの関連分析を実施した上で,「目的別・交通手段別集中交通量」と「小売業業態別店舗面積」に基づいて「ゾーン毎・業態別年間販売額」を算定する「商業売上予測モデル」の構築を試みた.そして,それらの関連分析及びモデル構築の結果,「商業売上」と「集中交通量」の間には明確に正の相関があり,加えて,交通目的や手段の相違によっても商業売上への影響度合いが異なることが明らかとなった.さらに,構築した商業売上予測モデルの感度分析を実施した結果,手段分担率の変化は商業売上の増減に大きく影響することが確認され,とりわけ,買物活動を企図としたトリップの交通手段を公共交通へとシフトさせることは商業の活力向上にとって重要な要件であることが分かった.
著者
北川 夏樹 鈴木 春菜 中井 周作 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.67_I_697-67_I_703, 2011 (Released:2012-12-28)
参考文献数
20

本研究では人の社会的な生活に欠かせない活動の一つである「移動」に着目し,移動中に感じる気分や体感と,生活に対する個人の主観的な評価である「主観的幸福感」との関係について検証することを目的とした.また,移動時の風景等の属性と幸福感についても相互の関係を検証し,幸福感という観点からの「良い移動」について検討した.結果,移動時の肯定的な感情や感覚を下位尺度とする「移動時の幸福感」尺度と,生活における種々の主観的幸福感との間に正の相関関係がみられた.これは,移動が目的地へ達するための単なる手段ではなく,人の生活の質を向上させうる重要な活動の一つであることを示唆している.さらに,移動先での目的によって移動が幸福感に及ぼす影響が異なることや,移動時の風景が幸福感に有意に影響している可能性が示唆された.
著者
荒谷 太郎 平田 輝満 長田 哲平 花岡 伸也 轟 朝幸 引頭 雄一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_229-I_246, 2013 (Released:2014-12-15)
参考文献数
24
被引用文献数
3

本研究では,東日本大震災直後よりあらゆる主体の航空機が飛来した花巻・山形・福島空港を対象に,救助活動などの重要な拠点となった空港がどう使われたのかを明らかにした.震災直後の空港運用上課題となった航空機の飛来数および駐機スペース不足に焦点をあて,主体別目的別の離着陸状況,駐機状況の変化について分析を行った.さらにそれを補うため各空港の管理者や運航主体へのインタビュー調査を実施し,各空港が如何にして多数の航空機を処理し,災害対応活動を支援したかを明らかにした.その結果,震災直後の空港には通常時の6倍~10倍の航空機が飛来したこと,発災後72時間以内の救助活動,救急搬送が多くなることがわかった.さらにインタビュー調査より,駐機スペースに工夫を凝らしていたことや燃料補給体制の課題などが明らかとなった.