著者
岩永 秀子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.30-39, 1998

本研究は, 対象の保健行動変容への有効な支援方法を探るために, 保健行動の地域特性を明らかにすることを目的としている. 今回は, 農漁村部である長崎県小値賀島住民の保健行動特性を明らかにするために, 都市部である神奈川県相模原市住民と対比検討した. 調査項目は, 保健行動の実行度, 実行要因 (保健行動の優先性, 保健規範意識, 病気に対する脆弱感, 情緒的支援ネットワーク, 生きがい), 食生活状況である. 分析対象数は小値賀122人, 相模原149人であった.<BR>分析の結果以下のことが明らかになった. 1)小値賀島住民は都市部住民より保健行動を実行しており, 特に50歳未満, 有職者で差がみられた. 小値賀島住民は規則正しい食事をし, 夜更かしをさけ, 睡眠を十分とっていた.<BR>2)小値賀島住民は都市部住民より生活行動の中で保健行動を優先させる態度が強く, また生きがいを多くもっていた. 特に仕事, 地域の人との関わり, 宗教をより生きがいとする人の割合が高かった.<BR>3)調査した5つの実行要因によって, 小値賀島住民の保健行動実行度の約30%が説明可能であり, 都市部住民に比べ影響が大きかった. 小値賀島住民では, 他の生活行動より保健行動を優先させる態度が強い人ほど, 生きがいを多くもっている人ほど, 保健行動の実行度が高かった.

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