著者
木内 正人
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.G16, 2004

独立行政法人国立印刷局は、明治4年(1871年)「大蔵省紙幣司」として創設以来、紙幣をはじめ各種有価証券や公文書を専門に製造してきた。今日に伝わる紙幣のデザインは、明治維新以後急速に近代化した歴史を色濃く残し、西洋から輸入した様々な技術をベースに、日本の民族的慣習を織り交ぜ独自のスタイルを築いてきた。また紙幣のデザインには、信頼、安全といったセキュリティー面からの役割と、国の威厳、品格、あるいは利用者の誇りや尊厳を支える役割をも担っている。それには、デザインの中に人々に"重み"を感じさせるデザインエレメントの存在が鍵となっている。本研究は、紙幣にみるデザインエレメントの特徴から鑑み、紙幣のデザインと社会との関係を考察するものである。

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