著者
次田 章 福島 隆司 水口 昭憲 永澤 久直
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.685-691, 1988

均一沈殿法により, TiO<SUB>2</SUB>水和物とAl<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>水和物を雲母粉体表面上に沈着させ, これを焼成することによって, TiO<SUB>2</SUB>-Al<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>二層被覆雲母を調製する方法を開発した。雲母表面上に第一層としてTiO<SUB>2</SUB>層が, また第二層としてAl<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>層が積層沈着していることを, 反応過程の解析およびESCAによる表面分析により確認した。<BR>変角分光光度計を試作し, 調製した粉体の光学特性を測定した結果, 被覆物質 (TiO<SUB>2</SUB>+Al<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>) 中のAl<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>比率が少ないとき, 鏡面反射方向を中心とする反射強度が大きく, かつ反射光は青紫系の色彩を示すことがわかった。一方, Al<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>比率が50%以上では, 全受光角範囲で反射強度が減少し, かつ反射光は無彩色に近づき, 自然な艶感を与える外観となった。<BR>TiO<SUB>2</SUB>-Al<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>二層被覆雲母は, 雲母に比べて白色度が高く, かつオイルに濡れることによる色変化 (色くすみ) も少なかった。<BR>これらにより, TiO<SUB>2</SUB>-Al<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>二層被覆雲母はAl<SUB>2</SUB>O<SUB>3</SUB>比率50%以上において化粧品用体質顔料に適した光学的特性を示すことがわかった。

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