- 著者
-
矢野 順一
- 出版者
- JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
- 雑誌
- 紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
- 巻号頁・発行日
- vol.68, no.7, pp.770-773, 2014
GL&V/川之江造機(株)が提供する,マシン前クリーナーリジェクトからの添料及び繊維の回収装置―ATREX装置について紹介する。<BR>塗工紙や塗工板紙抄造用抄紙機のアプローチ系に設備される,所謂マシン前クリーナーのリジェクトには多くの有用な添料やコーティングフレーク,繊維が含まれている。このコーティングフレークを再利用するためには,そこに含まれるサイズの大きなフレークを粉砕して小さくする必要があるが,塗工量が多くなるのにつれて,再利用した際にトラブルを起こさないレベルまで小さく粉砕することは,これまでの技術では困難であった。<BR>GL&V/川之江造機のATREX―リジェクト回収装置で処理すると,塗工顔料や添料の大きさは,ほぼ塗工前のオリジナルサイズに戻すことができる。それと同時に,絡みついた繊維の塊も分散され,繊維原料として再利用できる。その結果,リジェクトに含まれる有用な原料分の大部分を回収再利用することができる。一旦リジェクトとして排出された原料の大部分を回収し再利用することで,添料や繊維の使用量を減らすことができる。<BR>抄紙機工程でのトラブルを未然に防止しながら,95%を回収再利用する。そのまま再利用した場合に発生する,各種マシントラブルを未然に回避するのと同時に製品品質の低下も防ぎながら,それと同時に添料やパルプ繊維の回収及び再利用を実現する。また,自然にも優しい技術である。<BR>ATREX装置の効果を実際に,工場現場において運転して性能を確認していただけるように,テスト機による実機レベルの効果確認運転も可能である。