著者
矢野 順一 岸田 幸三 宇多津 誠一郎
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.145-150, 2008-02-01

日本国内においてGL&V社との技術提携のもと,川之江造機が製作販売を開始したBTFダイリューションシステムは,現在納入実績が8台となっている。いずれも既設ヘッドボックスはそのままに,BTFシステムの導入によりCP化するという改造導入である。改造導入による成果は,CDプロファイルの著しい向上をはじめとした製品品質の向上や製品取り幅を広くする,抄き替え時間を短縮するといった操業効率の向上などに大きく寄与している。ここにその事例を紹介する。<BR>さらに川之江造機はGL&V社と共に,抄紙機技術だけでなくケミカルパルピングにおける世界の最新技術を取り扱っている。世界的にも極めて知名度の高い2つの技術ブランドである旧セレコ,旧インプコ社の製品の中から,省エネを目的に開発されたセレコツイスタークリーナー,及びハイキューノッター,スクリーンをご紹介する。また旧アーカークヴァナ社の蒸解,パルプ洗浄,酸素脱リグニン及び漂白にまで及ぶ技術を取り扱うこととなった。これらの技術の中から今回は特にコンパクトプレス及び,その前後の設備についてご紹介する。
著者
矢野 順一
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.770-773, 2014

GL&V/川之江造機(株)が提供する,マシン前クリーナーリジェクトからの添料及び繊維の回収装置―ATREX装置について紹介する。<BR>塗工紙や塗工板紙抄造用抄紙機のアプローチ系に設備される,所謂マシン前クリーナーのリジェクトには多くの有用な添料やコーティングフレーク,繊維が含まれている。このコーティングフレークを再利用するためには,そこに含まれるサイズの大きなフレークを粉砕して小さくする必要があるが,塗工量が多くなるのにつれて,再利用した際にトラブルを起こさないレベルまで小さく粉砕することは,これまでの技術では困難であった。<BR>GL&V/川之江造機のATREX―リジェクト回収装置で処理すると,塗工顔料や添料の大きさは,ほぼ塗工前のオリジナルサイズに戻すことができる。それと同時に,絡みついた繊維の塊も分散され,繊維原料として再利用できる。その結果,リジェクトに含まれる有用な原料分の大部分を回収再利用することができる。一旦リジェクトとして排出された原料の大部分を回収し再利用することで,添料や繊維の使用量を減らすことができる。<BR>抄紙機工程でのトラブルを未然に防止しながら,95%を回収再利用する。そのまま再利用した場合に発生する,各種マシントラブルを未然に回避するのと同時に製品品質の低下も防ぎながら,それと同時に添料やパルプ繊維の回収及び再利用を実現する。また,自然にも優しい技術である。<BR>ATREX装置の効果を実際に,工場現場において運転して性能を確認していただけるように,テスト機による実機レベルの効果確認運転も可能である。