著者
宮本 明
出版者
日本下肢救済・足病学会
雑誌
日本下肢救済・足病学会誌 (ISSN:1883857X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.53-59, 2012

重症虚血肢(CLI)を救肢するには,血行再建が必須である.CLI 患者は心血管疾患を高率に合併するため,外科バイパス術より低侵襲の血管内治療(EVT)が注目されている.CLI は,重症膝下動脈(BK)病変を高率に合併するため,足部までの血流を確保するにはBK のEVT が必要であるが,BK は,血管径が細く,長区域の完全閉塞病変が多いため,EVT には挑戦的な領域である.近年,ガイドワイヤーやバルーンの細径化,エコーガイドの応用や両方向性アプローチの導入により,EVT の初期成功率は著しく向上し,救肢に関しては,遠位バイパス術に劣らないと報告されている.しかし,EVT の長期開存率は未だ不良であり,CLI を再燃させる可能性は否定できない.最近,BK 病変に対する薬剤溶出ステントやバルーンの有効性が報告され,EVT の長期開存率の向上が期待されている.今後,BK 領域においてもEVT が血行再建術の第一選択となる可能性が高い.

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最近この検査の介助に付くからBKって何ぞや?と調べてたらなるほ! https://t.co/7Xen9tIFtK

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