著者
赤塚 正一
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.311-319, 2013
被引用文献数
3

本研究では、アスぺルガー症候群と診断されたある男児を対象に、保育所から小学校の通常学級への移行支援を実践した。その移行支援では、(1) チームを組織し、(2) 情報の共有のためにツールを整え、ミーティングを継続し、(3) 移行支援全体のマネジメント役を明確に位置づけることが重要と考えた。入学前の移行支援会議は、保育所・小学校双方の関係者に連携・協働の実感をもたらし、小学校で「個別の指導計画」に基づく支援が展開された。さらに、入学後の移行支援会議の継続により、学校体制での移行支援が展開された。そして、支援対象児の学校生活全般の適応状態は、学校生活が進むにつれて良好となり、保護者の不安が軽減された。以上の結果から、引き継ぎ段階での情報共有の工夫、入学前後の継続的な移行支援会議の開催、および巡回相談チームによる移行支援全体のマネジメントの効果が認められたと考察した。

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