著者
藤田 知美
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.321-328, 2013

本稿は、少年院で提供される教科教育の研究動向について、近年の施策を踏まえつつ概観することを目的とする。少年院において、在院者は、中学校教育・高等学校教育のほか、社会生活に必要な学力を身につけるための補習教育も受けている。この教科教育に関わる伝統的な課題で、現在も引き続き検討されていることには、学校教育機関との交流の活発化、矯正教育としての独自の授業理念をもつこと、および学習理論を現場に生かす研究や工夫を進めることの3点が挙げられる。今後、少年院法改正への動きを受けて、教科教育の指導内容や方法、体制についての研究が進むことが予想されるが、教科教育(特に義務教育)に関する問題はこうした実務的な範囲にとどまらず、少年院において教科教育を実施することの意義と、少年院において教科教育を受ける在院者の法律上の位置づけについて検討されるべきである。

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