著者
Miyake Y. Saruhashi K.
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
Papers in Meteorology and Geophysics (ISSN:0031126X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.241-244, 1957

1957年3月に開催された国連の第3回科学委員会に,各国から提出されたSr-90の資料に基いて,1951年のはじめから1955年の秋までの5年間に,地表面に蓄積したSr-90含量の世界的分布を求めた.主なる汚染源としては,第1図から明らかなように,太平洋のビキニ環礁,ソ連のカザツク地方(黒海とバルハシ湖の間)およびアメリカ合衆国のネバダの三点がある.前二者では,水爆実験も行われているので,原爆実験のみを行っているネバダにくらべれば,汚染度は高い.第1図によると,ソ連の実験とネバダの実験では,汚染地域は偏西風にのって西から東にのび,ビキニでは逆に偏東風で西にひろがっている.これは地球上の風系と全く一致しているところである.<BR>1955年秋までに地表面に蓄積したSr-90の総量は地球全体で0.7メガキユリーとなる.北半球には地球全体の80%,その中,東半には,地球全体の約57%が集まっている.緯度による分布をみると,第2図(A)に示すように,北緯20°と50°附近の2ヵ所にピークがみられる.前者はビキニ実験によるものであり,後者はソ連の実験によるものである.第2図(B)には北半球を東半,西半にわけての分布を示した.東半の分布は第2図(A)と同じような形であるが,西半は40°附近に一つのピークがみられる.これはネバダの実験によるものであり,前者に比べれば,その汚染度は低い.

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