著者
名塚 ちひろ 岡本 誠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.C04, 2009

買い物には生活に必要な行為の他に,娯楽的な側面もある.買い物の娯楽的側面の要素は視覚情報からもたらされる場合が多い.しかし視覚障害者は買い物の娯楽的側面を楽しむことは困難である.本研究では,シナリオベースドデザイン手法を用いて,視覚障害者の買い物に置ける現状や潜在的なニーズを明らかにした.抽出したニーズの中でも特に「店内で買い物しながら使えるものであるべき」「思わぬ発見をしたい」「目の前に何があるのかを知りたい」の3点に着目した.そして,視覚障害者が能動的に商品を探せたり,知らない商品に気付くことのできる「COMPASS」という機器を提案した.評価では,モックアップとMoving Prototype,オーディオドラマを用いた.実験の結果,COMPASSを使用することで「欲しいものを見つけられる楽しみが生まれる」「その場で欲しいものを決められる」という結果が得られた.このことからCOMPASSが買い物を楽しくし,意欲をわかせる機器として有効であったことが確認できた.今後の展開として,形状や仕様の改良,様々な売り場における買い物への応用方法を考える必要がある.

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こんな論文どうですか? シナリオ法を用いた視覚障害者の買い物をサポートする機器の提案(名塚 ちひろほか),2009 https://t.co/ngfp8S1C49 買い物には生活に必要な行為の他に,娯楽的な側面もある.買い物の娯楽的側面の要素は視覚…

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