著者
大原 達美 成清 哲也 松村 一
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.233-239, 2010

本院医療情報室では,2009年7月に「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第4版」を参考に,新型インフルエンザ(influenza A : H1N1)パンデミックに備えた業務継続計画(以下BCP)を策定した.同年11月に病院情報システム(HIS)と接続された1部門システムが故障し,1週間部門システムが使用できなくなる経験をしたことから,HISに接続される部門システム全体を視野に入れたBCPの見直しを図った.<br/> 具体的には部門システムのBCP策定に向けて,①部門システムの範囲・機能調査,脆弱性調査,②フェーズ別対策の検討,③ケース別BCPへの展開,に分けて課題の抽出を行った.<br/> この結果,HISと部門システムとの情報システム全体のBCPの策定に際しては,①部門システムが設定する業務再開目標時間(RTO)にはビジネス・インパクト分析(BIA)を実施した上で明確にする,②フェーズ別対策では,システム脆弱性対策チェックシートを使用して共有認識を図る,③ケース別対策については,中長期的対策を視野に入れて策定を進める,との結論に至った.

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