- 著者
-
山根 信二
- 出版者
- 一般社団法人 電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
- 巻号頁・発行日
- vol.9, no.3, pp.197-204, 2016
混乱するハッカー及びハッキングの理解を整理するために,本稿ではこれまでのハッカーのパブリックイメージがどのように形成されたのかをたどり,それらを史的展開の中に位置付ける.ハッカーの極端なパブリックイメージは時代ごとの不安が投影されていると考えることができる.これらはマスメディアによって作られただけでなく,計算機科学者や学会も役割を果たしてきた.更にハッカーに注目することで,これまでのコンピューティングの歴史を見直す新たな試みについて論じる.最後に今後の人材育成戦略についても取り上げる.