著者
亀井 尚美 赤峰 翔 大津 一弘
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.102-107, 2016

磁石玩具誤飲により緊急手術を要した2 例を経験したので報告する.症例1 は1 歳5 か月女児.近医にて2 個の異物(磁石)の存在を指摘,経過観察を指示され,誤飲33 時間後に当科紹介受診となった.内視鏡的摘出を試みたが,内視鏡所見より切迫穿孔が疑われ,開腹手術に移行した.胃切迫穿孔,小腸多発穿孔,腸間膜穿孔と診断,修復された.症例2 は5 歳2 か月男児.誤飲4 日後に当科紹介受診,レントゲン上9 個の異物(磁石)を認めた.内視鏡的摘出を試みたが術中所見より切迫穿孔と診断し,開腹手術へ移行した.開腹所見より胃十二指腸切迫穿孔と診断,修復された.誤飲した固形異物の多くは自然排出され良好な経過をたどるが,危険な異物誤飲もある.複数個誤飲された磁石は腸管壁を隔てて吸着し,腸管が圧挫されて穿孔または内瘻化を起こすことがある.複数個の磁性体の誤飲は,たとえ無症状でも手術を要する可能性があり,保存的経過観察は推奨されず,できるだけ早期に摘出すべきと考えられた.

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CiNii 論文 -  緊急手術を要した複数個の磁石玩具誤飲の2例 https://t.co/6dmZeOKX0W 複数個誤飲された磁石は腸管壁を隔てて吸着し,腸管が圧挫されて穿孔または内瘻化を起こすことがある.

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