著者
金子 泰之
出版者
日本カウンセリング学会
雑誌
カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.199-208, 2011

本研究は,中学生の問題行動を研究対象とした。そして,〈規範文化の低い学校〉と〈規範文化の高い学校〉では,同じ問題行動を生徒が引き起こしていても,その動機が異なるという仮説を検討した。中学生1,306名(学年別では1年生15学級384名,2年生16学級467名,3年生17学級455名,性別では男子735名,女子571名)を対象とし,①問題行動経験尺度,②問題行動動機尺度,③規範意識尺度の3つをたずねる質問紙を実施した。③規範意識尺度をもとに,〈規範文化の低い学校〉と〈規範文化の高い学校〉の2群に分けた。そして,②問題行動動機尺度を説明変数,①問題行動経験尺度を目的変数とし,重回帰分析を2群それぞれに行った。その結果,〈規範文化の低い学校〉と〈規範文化の高い学校〉では,生徒が問題行動を引き起こす動機は異なっていることがあることが明らかとなった。同じ問題行動を引き起こしていたとしても,規範文化の水準によって問題行動を引き起こす動機は異なることがあるため,学校の特徴をふまえて教師が生徒指導を行う必要性が示唆された。

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