著者
村山 伸子 米山 けい子
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.21-38, 2017

目的:「フードバンクこども支援プロジェクト」の目的は,子どもがいる生活困窮世帯に対して夏休みに集中した食料支援を行うことにより,夏休み期間の欠食の防止や食費,光熱水費の増加による家計への負担を軽減することである.また,食料支援をとおして,生活困窮者の生活上のニーズを把握することである.<br>事業/活動内容:このプロジェクトは,2015年8月にフードバンク山梨が食のセーフティネット事業として実施した.自治体や学校からの紹介を含め食料支援を希望した127世帯に,米や菓子等を約 11 kg箱詰めにして,毎週1回計5回配送した.プロジェクトの評価は,新しく支援をすることになった104世帯を対象に,質問票を配布した.<br>事業/活動評価:61世帯から回答を得た.プロジェクト前後で,子どもの摂取頻度が増加した項目は,3食食べる,ご飯,めん,肉や魚(生鮮・加工品),卵,野菜,牛乳・乳製品で,減少したのは外食であった.食費は,米・パン・めんの支出が有意に減少した.生活上のニーズとして,食事・栄養,経済,健康・医療等があげられ,就学援助金(給食費・医療費)等の公的支援の認知度が低いことも課題として把握された.<br>今後の課題:夏休み期間の食料支援は,子どもの食事や家計に有益であること,NPOが学校や行政と連携することにより,必要な人に支援がつながることが示唆され,活動のスケールアップが課題である.

言及状況

外部データベース (DOI)

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「フードバンクからの食料支援によって家計にはどのような変化があったか?」という問いに対する答え。涙なしには読めない。どのような支援があればこの人たちは助かるのか。 ► CiNii 論文 - フードバンクによる子どもがいる生活困窮世帯への夏休み期間の食料支援プロジェクト https://ci.nii.ac.jp/naid/130005398085

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