- 著者
-
木村 浩彰
- 出版者
- 公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
- 雑誌
- The Japanese journal of rehabilitation medicine = リハビリテーション医学 (ISSN:18813526)
- 巻号頁・発行日
- vol.53, no.8, pp.610-614, 2016
<p> 外傷や手術後に四肢の激しい疼痛や腫脹を生じることは,反射性交感神経性ジストロフィーや肩手症候群として知られており,近年,複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome,以下CRPS)として名称が統一された.CRPSの原因は不明で,早期診断と治療が重要である.CRPSの診断は,外傷や不動化の既往と原因から想像できない疼痛,浮腫,皮膚血流変化からなる世界疼痛学会の診断基準が知られているが,鑑別診断のための診断基準も報告されている.CRPSを疑う状況が発生すれば,確定診断を待つことなく直ちに投薬や神経ブロック,リハビリテーションなどの集学的治療を開始すべきである.</p>