著者
海野 ひろ花 鈴木 馨
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌
巻号頁・発行日
vol.69, no.8, pp.463-467, 2016

<p>ヨツユビハリネズミ(n=5)の全身麻酔に伴う低体温と危険な随伴症状の発生及び保温の効果について調べた.実験では,アトロピン(0.05mg/kg),ジアゼパム(4mg/kg),ケタミン(50mg/kg)の皮下注射による導入後,イソフルラン(2%)吸入で維持する場合と,高濃度イソフルランガス(5%)による導入後,同じく2%吸入で維持する場合で比較した.麻酔は60分間維持した.保温しないと,注射導入・高濃度ガス導入にかかわらず,全例で明らかな低体温(最低値:29.7±0.6℃)となり,著しい呼吸循環抑制からほぼ全例でチアノーゼが観察された.これに対して保温した場合には,注射導入・高濃度ガス導入のいずれでも体温低下は軽微(最低値:32.5±0.3℃)であり,チアノーゼの発生が大幅に抑制された.これらから,ヨツユビハリネズミの全身麻酔で保温は有効かつ必須であることが示された.</p>

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