- 著者
-
浅川 浩
- 出版者
- 一般社団法人 日本画像学会
- 雑誌
- 日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.5, pp.578-584, 2016
<p>近年,産業用のデジタル出力機器の発展に伴い,出力物を用いた製品のひとつとしてフォトブックが伸びてきている.日本国内の売上数量でも2007年と比較して2015年では約5~6倍程度に伸びており<sup>1)</sup>,成長が期待される分野であり,出力機器も生産性・画質の向上が成されてきている.特に画質において銀塩写真に遜色ないインクジェットシステムがフォトアルバム向けとして有力な出力機器のひとつとなっており,また,フォトアルバム商材としての品質に密接な関係があるインクジェット用の印刷用紙も様々な進歩を遂げてきている.用紙としては,特に出力機器の生産性に対する技術として,インク受容層の細孔制御・多層化技術,ユーザーの多様な要求に応えるべく,用紙表面の形状,光沢,用紙の厚みや重さの制御技術が進歩を遂げてきた.本稿ではそれらの用紙に対する技術を具体的に述べる.</p>