著者
中谷 美穂
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.24-46, 2009

議会の機能に関する研究では,政策アウトプットにおける議会の影響を扱う研究が多く,議会のパフォーマンスを対象とし,かつ議会間の差を検討する研究が少ない。また議会の機能を説明する変数としては,議会の党派性や首長と議会の会派構成の違いなどが要因として用いられており,アクターの心理的変数,ならびにそれを集団的に捉えた政治文化的変数を用いる研究が少ない。そこで本稿では,地方分権が進展する中,議会にも政策立案機能が求められていることを背景とし,都道府県間の議員提案による政策条例数をパフォーマンス指標として取り上げ,その規定要因として議会内の立法型役割意識の程度,首長―議会間での是々非々意識といった政治文化変数を用い,他の要因も含めて分析を行った。その結果,2つの政治文化変数が政策条例を促進する要因として有意であることがわかり,また鳥取県の事例研究からも同様の結果を得ることができた。

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