- 著者
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久里 洋二
- 出版者
- 一般社団法人 画像電子学会
- 雑誌
- 画像電子学会研究会講演予稿
- 巻号頁・発行日
- vol.5, pp.71-72, 2006
久里洋二氏は国際的なアニメーション作家として知られています。その活動範囲は芸術家としての広い範囲に及びます。1960年には柳原良平、真鍋博と共に草月会館で日本で初めての実験アニメーションの上映会を開催し、翌年3人は「アニメーション3人の会」を結成し、日本におけるアート・アニメーションの興隆に貢献しました。彼の作品は、アメリカ、フランス、ドイツ、イタリアなど国外においても数々の賞を受賞しました。1964年、テレビ番組「11PM」に毎週1本の新作アニメーション作品を発表し、話題となりました。こうして氏はこの番組のためにアニメーション作品を18年間も作り続けることとなりました。まさに今日の映像の先駆者だったのです。こうしたアニメーション制作活動は多くの人にアニメーション表現の可能性を与え続けました。アニメーション制作以外でも、鮮やかな色彩で描かれる絵画やオブジェを自由に使いこなした、創造を掻き立てる立体作品も多く制作し続けてきました。氏は常に新しい試みと視点で、時代をとらえ、人々を驚かせ、ユーモアをもって楽しませてくれるアーチストとして人気があります。携帯端末用のデジタル時代の画面に向けても、意欲的に新作活動をしています。