- 著者
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張 英裕
黄 佳琪
- 出版者
- 日本デザイン学会
- 雑誌
- 日本デザイン学会研究発表大会概要集
- 巻号頁・発行日
- vol.59, 2012
本稿は1979年の手工業産品評審会から現行の工芸の夢まで入選した陶磁器に基づき、Formalisticaと社会学でその造形を分析し、その変遷をまとめるものである。台湾における陶磁器のスタイルの変遷について、下記のように三つの時期に分けることができる。(1)素朴期(1979~1992)この時期の作品には素朴と豪華の2極化傾向が見られる。そして造形において、両者ともシンプルなスタイルを保っているが、装飾紋様では簡単な色使いと精緻な絵画の二種類に分けられる。(2)転変期(1993~1998)欧米や日本などの先進国から技術とコンセプトを作品に取り入れることにより、その造形が大きく影響され、ユニークな作品が多数現れた。造形の突破こそがこの時期の一大特徴と言える。(3)設計重視期(1999~)この時期の作品には主に二方向性が見えてくる。一つはシンプル且つ生活感が溢れる方向性で、もう一つは創意と精緻さを求める方向性である。しかし、両者ともデザインの重視ということは不変である。