著者
野宮 謙吾 西田 麻希子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.61, 2014

和文書体の制作は、文字数の多さからかなりの労力が必要となる。そのため、時間及び経費の問題により中小規模の組織・団体におけるVI指定書体を策定するにあたり、新規制作が困難な現状がある。また、近年コンピュータの利用により制作の労力は軽減されてきているはいえ、そのプロセスは複雑であり品質の高いものをデザインしようとした場合、少人数かつ短時間での制作には限界がある。そこで本学VI指定書体を新規制作することを最終目的とし、和文書体における効率的な制作手法を探る。予備実験段階では、異なるタイプのオリジナル書体を2種設定し、分担制作した場合に形状の統一が図れるかどうか検証した。その結果、漢字部分については実験制作の手法及びプロセスにより、設定した造形ルールにほぼ近い形状の字形を制作できることが確認できた。しかし、実施した実験手法では細部の微妙な形状の再現が困難であり、完成形に至るためには数回のチェックと修正作業を要した。効率的に書体制作を行うためには、素材内容やガイダンス内容を見直し、書体の造形ルールをさらに正確に伝達、共有する必要がある。本研究ではこれらについて検討し、実験制作により検証を行った。

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