著者
新井 竜治
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

明治・大正・昭和戦前期の東京市芝区の「家具の図面屋の草分け的存在」であった木村貞は、東京家具之友社から発行された『西洋家具圖案カタログ』(1929・30年)において、顧客・家具商・家具職人の間の意思疎通を図るための家具図として、投影図の三面図を使用している。その主なものは「正面図・側面図」であり、台物家具等のみ三面図全部(正面図・側面図・平面図)を用いている。更に印影を施すことによって、正面図・側面図を立体的に見せている。そしてこの作画法は、東京市芝区の後久洋家具店や三越百貨店家具加工部においても見られた。それから木村貞は、東京家具之友社発行の『新國風家具圖案カタログ』(1936・37年)において、その約半数に印影を施した擬似2消点透視図を新たに導入している。それ以外については、印影が施された投影図の「正面図・側面図」又は「正面図のみ」を使用している。これらは顧客が洋家具の概観をより理解し易いようにするための対応であった。

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こんな論文どうですか? 木村貞の家具図の特質と変遷:『西洋家具圖案カタログ』・『新國風家具圖案カタログ』の比較研究(新井 竜治),2015 https://t.co/7UwMvtVLLc 明治・大正・昭和戦前期の東京市芝区の「家具の図面屋の草分け的…

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