- 著者
-
猪熊 浩子
- 出版者
- 日本監査研究学会
- 雑誌
- 現代監査 (ISSN:18832377)
- 巻号頁・発行日
- vol.2013, no.23, pp.75-86, 2013
<p></p><p>国境を超えた企業活動が活発になることに伴い,会計基準・監査基準も世界標準化が求められ,会計プロフェッショナルにかかる教育や資格要件も国際化していく傾向にある。一方で,会計・監査制度が周辺の制度と密接な関係にある以上,各国の地域性が容易に解消されるわけではない。</p><p>グローバル化とは単に制度の標準化・共通化を意味するだけでなく,絶えず地域性との摩擦と調和の下,進展していく過程であると考えられる。監査についてみれば,当面は各国固有の制度に基づく監査業務が重要である状況には変わりないとしても,会計基準・監査基準の国際標準化が進むにつれ,諸基準の標準化に対応して世界で活躍できる会計プロフェッショナルを育成していかなくてはならない。</p><p>会計・監査制度は企業の活動基盤を支える社会的インフラであり,企業の国際競争力を支えている。今後,会計プロフェッショナルについても共通化や資格の相互承認が進展することが予想され,その時に備え会計プロフェッショナルにかかる確固たる将来像の構築が求められる。</p>