- 著者
-
酒谷 薫
- 出版者
- 公益社団法人 日本生体医工学会
- 雑誌
- 生体医工学
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.4, pp.308-308, 2017
<p>厚生労働省は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(「地域包括ケアシステム」)の構築を推進している。我々は、IoT/BD/AIの先端技術を応用した地域包括ケアシステムを開発し、福島県郡山市のモデル地区で実証実験を行っている(2016年4月~)。本オーガナイズドセッションでは、我々が開発したシステム及び実証実験の途中結果について報告し、地域包括ケアシステムにおけるIoT/BD/AIの先端技術の有用性について検討する。本システムは、ICTとセンサー技術による見守りシステム(睡眠センサー、水道センサー)とNIRSによる脳と心の見える化により構成されている。本システムをモデル地区の高齢者家庭に設置し、睡眠時の心拍数、呼吸数、離床、及び水道使用量を遠隔でモニターしている。さらに、定期的に公民館にて、心理テスト(STAI,MMSE)及びNIRSによる脳機能計測を実施し、参加住民の健康相談に応じている。本講演では、実証実験の結果を供覧し、IoT/BD/AIを導入した次世代地域包括ケアシステムの有用性と問題点について考察する。</p>