- 著者
-
桑原 雅夫
井料 美帆
- 出版者
- 公益社団法人 土木学会
- 雑誌
- 土木学会論文集D3(土木計画学)
- 巻号頁・発行日
- vol.73, no.5, pp.I_493-I_505, 2017
本研究は,古の都である平安京について,人々の移動パターンと貴族の動きを定量的に解析し,考察を加えたものである.平安京については,道路ネットワークの構造や道幅など幾何構造に関することは,よく知られているものの,その中で人々がどこに立地し,どのように移動していたのかについては,ほとんど調査分析が行われていない.本研究では,まず平安京やその前の律令時代の文献に基づいて,平安京の土地利用,身分別の住居の分布を推定した.次に,土地利用や住居分布に基づいてOD交通量を推定して交通量配分を行い,平安京街路の交通量について考察を行った.また,特権階級であった少数の貴族については,一般の庶民や役人の動きとは異なることから,別途に藤原実資の小右記に基づいて再現した.