著者
西脇 由恵
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.63, pp.52-56, 2012

<p>トマト褐色根腐病の対策の一つとして耐病性台木利用が挙げられる.2010~2011 年に,トマト褐色根腐病多発圃場において,本病耐病性台木「ドクターK」,「グリーンガード」,「フレンドシップ」および「ブロック」の利用による発病抑制効果およびトマトの生育への影響を調査した.栽培終了時の根部病斑面積率が自根栽培では50~66%であったのに対し,接ぎ木栽培では7~29%となり,台木品種間での差はあるものの根部発病が抑制され,耐病性台木の利用は本病に有効な手段であることが示された.トマトの生育への影響を調査した結果,自根栽培に比較して接ぎ木栽培では茎径が太く,草勢が維持されていた.また,4 月中下旬の低温期に定植する作型では5 月下旬定植の作型と比較して,低段位における自根区と接ぎ木区の茎径の差が大きかった.耐病性台木の利用は栽培前期から根部発病が抑制されることにより,草勢低下を回避し,被害を軽減していると考えられた.</p>

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