著者
太田 秀
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.65-73, 1976
被引用文献数
7

海中垂下機器-海底間距離測定器材としてピンガーがよく使用される. 従来直達音と反射音の到達時間差をCRT, PDRなどで読みとっていたが, 近距離の測定には精度が不足であった. ピンガー発信音を受信後, パルス群を両波整流し, R-Cフィルターで平滑化する極めて単純な検波回路を介在させ, エレクトロニックカウンターで時間間隔を測定する方法で, 海底上1.5から10m程度の範囲の機器-海底間距離をcm単位で連続的に求めることができた. このシステムを淡青丸 (KT-73-15; KT-74-14), 白鳳丸 (KH-74-3) 航海での海底写真撮影に利用し, 100mから4, 250mにおよぶ深度で約2万枚の海底写真を効率よく撮影することができた. 種々の較正を行った結果, 実用上±2.5%以内の誤差で距離がモニターできることから, シングルカメラでも海底面の物体のサイズを測定でき, 従来最も困難とされてい た表在性メガロベントスの定量化が容易となった.なお, このシステムは底層採水, 採泥, コアリングなど広範な利用が考えられる.

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