著者
待鳥 聡史
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.19-31, 2015

現代日本の首相は,政策過程においてどの程度まで自律的に主導的な役割を果たしているのだろうか。この点に関しては,しばしば「官邸主導」「強い首相」といった語が用いられるようになっているように,近年では役割が拡大しているという理解が広がっている。本稿では,メディアに公表された首相の面会記録をデータ化し,大平首相から現在の安倍首相までの37年間の変化を検討した。この首相動静データを分析する作業を通じて,首相が官房長官や閣僚といった執政中枢部の狭いネットワークに依拠し,他のアクターとの接触をあまり行わないという意味で,自律的に主導的役割を果たす傾向を強めていることを明らかにした。政権交代に伴う与党構成の変化や首相の交代にもかかわらず,この方性はほぼ一貫しており,背景に選挙制度改革や内閣機能強化といった制度的変化があることを示唆する。

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