著者
武田 元一郎
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
大日本耳鼻咽喉科會會報 (ISSN:2186814X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.72-84, 1925

以上胎兒ニ就テ觀察シ興味アリト思フ所ヲ摘要スルコト左ノ如シ。<br>(一)後鼻中隔動脈ト前及ビ後篩骨動脈トノ間ニハ其大サ及ビ分布域ニ關シテ一定ノ代償的關係存在ス、即兩者ノ内何レカ弱小ナル時ハ他者強大ニシテ之ヲ補フ。此關係ハ亦前及ビ後篩骨動脈間ニモ存在ス。<br>(二)キーセルバッハ氏部位ニ於テハ後方ヨリ後鼻中隔動脈、上方ヨリ前篩骨動脈、下方ヨリ前鼻中隔動脈來リ分枝吻合ス。此部ノ靜脈存在ノ密度ハ鼻中隔上半ニ於ルヨリハ少シ<br>(三)鼻中隔ニ於テ腫脹體ノ存在ヲ認メズ。<br>(四)下甲介ニ於テ著シキ動脈環ヲ認ム。<br>(五)鼻腔粘膜ノ靜脈殊ニ前方大部分ノ靜脈ハ外壁ニ於テ下甲介ノ前端ノ附近ニ集合シ一幹トナリ(鼻顏面靜脈)骨性梨子状孔外縁ヲ迂リテ前顏面靜脈ニ注グ。<br>(六)鼻腔粘膜ニ於ル靜脈ハ中隔ニ於テハ上方ニ密ニ下方ニ粗ナリ。外壁ニ於テハ之ニ反シ上方粗ニシテ下方ニ密ナリ。<br>(七)盲孔ニヨリ、頭蓋腔靜脈ノ鼻腔靜脈トノ直接ノ交通ヲ認メズ、唯外鼻血管トノ交通ヲ認ムルノミ。<br>(八)腫脹體ハ八ケ月半バ以後ノ胎兒ニ之ヲ認ム、腫脹體發生以前ノ胎兒ニ於テ下甲介ニ於テ粗大ナル靜脈ハ矢状ニ前後ニ經過ス。

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こんな論文どうですか? 胎兒ノ鼻血管(武田 元一郎),1925 https://t.co/AewNSoiVYe 以上胎兒ニ就テ觀察シ興味アリト思フ所ヲ摘要スルコト左ノ如シ。<br>(一)後鼻中隔動脈ト前及ビ後篩骨動脈トノ間ニハ其大サ及ビ分布域ニ關シ…
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