著者
堀江 直樹 小山 夕美 山本 典子 大竹 朗
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.176, 2011

【目的】<BR>当地域では平成20年11月より脳卒中地域連携パスが導入され,当院は回復期病院としての役割を担っている.パス導入以前に比べ在院日数は短くなっているが,諸般の理由により長期入院となる症例がある.今回,入院長期化した群と短期群とで比較検討し,若干の考察を加えたので報告する.<BR>【方法】<BR>平成20年11月から平成22年11月までに当院に入院した脳卒中パス患者135例(平均在院日数72±29.4日)の中から,在院日数100日以上の患者21例(以下長期群:121.1±15.7日)と在院日数40日以内22例(以下短期群:33.5±5.1日)について以下の項目を検討した.<BR>検討項目:年齢,NIHSS(入院時,退院時),下肢Br.Stage(入院時,退院時),B-ADL(入院時,退院時),退院時Barthel Index(以下BI),家族構成,復職及び家事復帰.<BR>【結果】<BR>年齢は長期群65.6±10.7歳,短期群75.5±11.7歳で差があった.NIHSSは,入院時は長期群8.0±5.0点,短期群2.3±1.9点.退院時は長期群5.6±4.4点,短期群1.5±2.2点であり,脳卒中は長期群が短期群に比較し重症であった.下肢Br.stageは長期群では入院時にstageIII以下の割合が62%,退院時は38%であった.短期群では入院時・退院時共に5%と変わらず,長期群は短期群に比較し麻痺が重度であった.<BR>ADL評価のB-ADL(退院時)は,長期群4.0±4.1点,短期群2.0±3.3点で差があったが,BIは長期群68.1±29.4点,短期群が81.6±24.1点と短期群に軽症の傾向があった.家族構成については老老介護,一人暮らし,二人暮らし,三人暮らし以上について検討したが両群で特徴は見られなかった.復職及び家事復帰に関しては両群共に3例ずつあり,差は無かった.<BR>【考察とまとめ】<BR>入院長期化した症例は,年齢が若く,機能面,ADL面ともに重症であった.家族構成に関しては介護力の不足などが影響するかと考えられたが,両群間で差は無かった. 当院では入院時に長期入院を防止するためにハイリスクスクリーニングシートを使用し,早期からMSWの介入を行っている.しかしそのような対策を行っていても,入院長期化してしまう症例がある.当地域は山間部で多雪の地域を有し,雪の影響により退院時期が延長することもあり,地域的な特色も影響していると考えられた.

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@tos CiNii 論文 -  当院脳卒中患者の入院長期化した症例についての検討 https://t.co/kzBiCBVXxy

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