- 著者
-
菊池 智明
- 出版者
- 日本ロービジョン学会
- 雑誌
- 日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
- 巻号頁・発行日
- vol.7, pp.41, 2006
1.目的<BR>各種の文字情報の入手に制約がある視覚障害者にとっては、インターネットを活用することで、情報の収集が容易になる。しかしながら、パソコン初心者の視覚障害者にとっては、一般のホームページはその構造が比較的複雑で、そこからいろいろな情報を得るのはかなり難しい作業となっている。<BR>そこで、<BR>a.文書構造をできるだけ分かりやすくして、リンクやフレームといった概念を理解しやすくする。<BR>b.リンク間の移動やリンクによるページ移動、フレームの切り替えおよびフォーム入力などといった操作の練習を集中的に行なえるようにする。<BR>ということを考慮して、ホームページ閲覧の練習用ホームページを開設した(http://homepage2.nifty.com/cosmosvision/)。<BR>2.ホームページ作成にあたって留意した点<BR>フレームの概念の理解とその切り替えの練習のために、随所に故意にフレームを使ってページを作成した。また、実際のホームページの中には、リンクを開くと勝手に別ウィンドウで開くものがある。そこで、そういう状況に遭遇した場合でも冷静に対処できるように、別ウィンドウで開くようにしたリンクも随所に設けた。<BR>また、インタラクティブなサイトでは、掲示板をはじめ、フォーム入力が必要になる場合が多い。そこで、フォーム入力練習用として、メールフォームや掲示板なども用意した。<BR>3.フィードバックとサポート<BR>必要に応じて、定例の勉強会の機会を利用するほか、メール等により寄せられる質問に対して随時回答し、回答の結果をホームページ上に掲載してメンバー間で情報の共有化を図っている。<BR>4.経過<BR>フォーム入力に対して抵抗感が少なくなったメンバーの中には自身のブログを開設して記事投稿を定期的に行ったり、他のメンバーが開設しているブログにコメントするなど、徐々にではあるが、ネットの世界が広がりつつあるメンバーも現れてきている。<BR>