著者
本田 敬
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.65, pp.308-309, 2018

本研究は、介助犬の訓練センターと共同でチャリティグッズの開発を行ない、デザイン教育との相互作用について考察したものである。チャリティグッズは、介助犬の広報イベント時や公式HPのサイトで販売され、センターの運営資金として寄付金以外の貴重な収入源となっている。しかしながら、現状では商品アイテム数も少なく、今後広く介助犬の存在を伝える上でも、拡販していくことが急務となっていた。そこで本学の学生に商品開発を実践的に学ばせる機会を兼ね、約8ヶ月に渡ってチャリティグッズ開発のプロジェクトを行った。現状の問題点と今後の展開など、ヒアリングと調査を行い、流通やコストなど、通常の授業では大きな制約にならない現実的な問題解決にも取り組み、10人の学生によって提案された14商品は順次販売を開始している。チャリティグッズという点から、通常の商品と原価率が大きく異なることや、デザイナーの報酬が発生しない等、一般の商品開発との差異も多く含まれてはいたが、安価で買える日用品であっても、デザインの業務が多岐にわたり、細かな検討を重ねて商品となることについて、学生自身が経験して理解する貴重な機会を創出できた。

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