著者
石川 重遠 後藤 吉郎 山本 政幸
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
巻号頁・発行日
pp.G02, 2009 (Released:2009-06-16)

この研究は、アメリカのゴシック体に影響を受けた日本のゴシック体の創出について明確にするものである。欧文書体とタイポグラフィの3名の専門の研究者がこの課題解決に取り組んでいる。山本は、ヨーロッパのサンセリフ体がアメリカに渡りゴシック体と呼ばれるようになった研究をしている。また、後藤は、アメリカの印刷技術が日本の近代印刷技術の礎を築いた研究をしている。石川は、日本語のゴシック体の創出に関する研究をしている。この3つの研究をつなげ、「和文ゴシック体創出と欧文書体との関連性研究」としてまとめたい。 今回の発表テーマは、和文ゴシック体の創出である。
著者
李 志炯 崔 庭瑞 小山 慎一 日比野 治雄
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.5_101-5_108, 2017-01-31 (Released:2017-03-10)
参考文献数
18

文字の太さは人間の感情や態度などと関係がある。たとえば,文字を読む際に太さが変化しても文字の意味が伝わるのは同様であるが,受ける印象には差が生じる。そのため,正確なコミュニケーションの実現のためには文字の太さと印象の関係について検討する必要がある。そこで,本研究では明朝体,ゴシック体の2書体それぞれのひらがなとカタカナを対象に文字の太さ(レギュラー,セミ・ボールド,エクストラ・ボールド)による印象の変化についての検討を加えた。その結果,明朝体のひらがなの場合,レギュラーでは柔和性・高級感・女性的な印象などが,他の太さでは柔和性・重厚性・男性的な印象などが抽出された。一方,明朝体のカタカナ・ゴシック体のひらがなおよびカタカナの場合,レギュラーでは先鋭性・高級感・女性的な印象などが,他の太さでは先鋭性・重厚性・男性的な印象などが抽出された。これらの結果により,文字の太さごとの印象の特徴および文字の太さによる印象の変化が明らかになった。
著者
高橋 祐亮 須永 剛司
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
巻号頁・発行日
pp.478-479, 2018 (Released:2018-06-21)

この制作は昆虫食を扱っている。今回はその中でも私がいかに昆虫食をデザインしてきたかについて述べる。アプローチは主に3つあり、それは試行錯誤と記録と表現である。私は昆虫食に関する気づきを得るために試行錯誤を行なった。そして、私はその試行錯誤を記録して表現することで、多くの人に昆虫食を考えたり拡張したりするためのきっかけを与えようとした。これらの行為は一般的なデザインとは少々異なっているが、テーマやそのテーマが抱える問題が不明瞭であるときにはデザイン自体を作り上げる必要があるのではないかという考えをもとに行っている、
著者
高橋 祐亮 須永 剛司
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
巻号頁・発行日
pp.478, 2017 (Released:2017-06-29)

昆虫食は機能的な面と嗜好品としての面の2つの可能性がある。現在は機能的な面が主に注目されているが、実際に食として広がっていくためには食としての嗜好性にも力を入れる必要がある。そこで私は昆虫食を広めるために料理のプロジェクトを行なっていた。コンセプトを立てたり、広がるための工夫を凝らしたりしながら実際に料理をしてそれらを多くの人に提供した。しかし、それらは成功とは言えなかった。多くの人は料理を食べてくれたし、思ったより美味しいという感想を述べてくれたが、それは一時的なもので継続的なものではなかった。そこで美味しさとは何かという観点からリサーチをした。その結果、食におけるテクスチャーという考えが重要であることがわかり、その観点から昆虫料理のプロジェクトが失敗した原因を探り今後の方針を立てた。
著者
和田 あずみ 三澤 直加 富田 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
巻号頁・発行日
pp.152-153, 2018 (Released:2018-06-21)

対話の場、共創の場、議論の場、学びの場。近年、多様な場を視覚化支援するビジュアルファシリテーション(以後VFとする)の取り組みが広がっている。多様化するVFの取り組みの中で、VFの実践者でもある著者らは、場や目的に応じたVFの手法を選ぶ必要性を感じており、「コンテクスト別にVFの特性を明らかにできれば、コンテクストに応じて活用方法を変えることができ、価値ある場の再現性が高まるのではないか」と考えた。分野ごとに手法を論じた文献は存在するが、分野横断でVFを捉えた先行研究は存在しなかったため、著者らは分野横断的に、VFが形式知化された43文献を読み解いた。一般的な分野ごとの分類ではなく、文献の手法とコンテクスト、及びその背景にある社会全体の変化を捉えた結果、VFが活用される6つの領域と27の役割を特定した。また、VFの手法選択と価値ある活用に影響を与える2つの視点「場が参加者に与える影響」と「目指す成果」を明らかにした。それぞれの領域、役割に応じて、効果的な描き方・描く対象・分析手法・場へのフィードバック等VFの関与方法があると考えられる。
著者
河瀬 絢子 崔 庭瑞 泉澤 恵 日比野 治雄 小山 慎一
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.6_37-6_46, 2017-03-31 (Released:2017-05-10)
参考文献数
24

近年,OTC医薬品の利用が促進されているが,消費者は外箱記載情報をあまり読んでいないことが指摘されている。本研究では,このような消費者行動に対する文化的影響の有無について検討するため,日本人消費者とアメリカ人消費者のOTC医薬品選択時の視線を比較した。日本人・アメリカ人被験者は,3種類の日本製およびアメリカ製OTC医薬品外箱の中から最も購入したいと思った1品をそれぞれ選択した。課題遂行中,「製品名」,「成分」,「使用上の注意」などの10の外箱記載項目に対する視点の停留時間が計測された。その結果,日本人被験者は「製品名」,「キャッチコピー」を長時間注視し,アメリカ人被験者は「成分」を長時間注視していた。したがって,日本人被験者はアメリカ人被験者よりも「成分」等のリスク情報をあまり読んでいない傾向がみられた。以上の結果から日本人・アメリカ人被験者間で注視方法の違いがみられた背景には文化的な影響があり,OTC医薬品選択時の行動傾向にも現れていることが示唆された。
著者
田中 佐代子 小林 麻己人 三輪 佳宏
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.6_47-6_56, 2017-03-31 (Released:2017-05-10)
参考文献数
21

国内の研究者・技術者によるグラフデザインの実態を明らかにし、ビジュアルデザインの質を高めるための基礎的要件を抽出した。そのためアンケート調査を実施し209件分の回答を得た。その結果、多くがMicrosoft Excelを使用し(85%)、主に棒グラフ(75%)・折れ線グラフ(74%)・散布図(66%)をデザインしていた。グラフの主な利用媒体は、スライド(86%)、論文等の文書類(83%)で、専門性の高いグラフデザインが求められていると考えられた。そしてほとんどの研究者・技術者がグラフデザイン技術の向上は有益だと思っていたが(94%)、自身のグラフデザインに満足していないものも少なくなかった(41%)。また研究者・技術者は、わかりやすさ、学術的な正確さ、センス良く美しさが保証された、グラフデザインを学ぶためのWebサイト(67%)やガイドブック(62%)を望んでいることがわかった。特に大学生・大学院生を対象に向上技術を示すと効果的であることもわかった。
著者
王 淑宜 植田 憲
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.3_41-3_50, 2017-11-30 (Released:2018-02-01)
参考文献数
46

本研究は,台湾新北市に位置する三峽地域における内発的地域づくりの方向性を導出するための調査・研究の一環である。本稿においては,当該地域における藍染産業の歴史を概観・整理するとともに,藍染産業が三峽地域の社会に及ぼした影響を考察することを目的とした。文献調査ならびに古老らへの聞き取り調査に基づき,以下の各点を明らかにした。(1)当該地域の藍染産業の基礎は,中国福建省などから台湾に移住して来た人びとが故郷から持ち込んだものであった。(2)当該地域の人びとが良質な藍澱や藍染製品を製造する独特の技法を生み出し,台湾全土の他,中国や日本などへ輸出するまでに興隆した。(3)三峽地域の藍染産業が最も盛んになったのは1890年から1920年頃であったが,その後,化学染料の台頭や社会の変容を要因として急速に衰退した。(4)三峽地域の藍染産業の形成には,「互助精神」「結市」などの当該地域の人びとの結束が大きな影響を与えた。今後の地域づくりにあっては,上述した歴史を踏まえ,地域の展開を志向していくことが望まれる。
著者
常見 美紀子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.9-18, 2004-11-30 (Released:2017-07-19)
参考文献数
33

「構成」はバウハウスに留学した水谷武彦がドイツ語の「Gestaltung」を翻訳した言葉である。構成教育は、戦前は普通教育の中に普及していたが、デザイン教育のための基礎および専門教育としては、戦後に発展をとげた。桑沢デザイン研究所では、当初から構成を基盤とするデザイン教育を行っていたことが教育課程などから明らかになった。とりわけ初期には、勝見勝と高橋正人が、研究所のデザイン教育に貢献していた。勝見はハーバート・リードとミューズ教育という幅広い造形概念の上に、バウハウスを起源とするデザイン理論を展開した。高橋は、デザイン教育における「基礎」として、美学・心理学・構成理論という純粋研究、人間工学・コミュニケーション理論のような基礎工学的研究、設計製作・印刷・写真などのような実際技術とこれに伴う技術理論という三領域を挙げ、「構成理論」は「構成の原理」という純粋研究を対象とすることを明確にした。「構成の原理」には、「造形の要素(造形言語)」と「造形の秩序(造形文法)」があり、造形の要素は形、色、材料、テクスチェア、光、運動が、造形の秩序にはリズムやコンポジションなどが含まれる。高橋は構成をデザインの基礎および専門教育と位置づけ、構成の原理の研究と教育を通じて、構成をより広くより高次元、すなわち構成学へと導いた。
著者
山田 慶子 上田 友彦
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
巻号頁・発行日
pp.78-79, 2000-10-16 (Released:2017-11-08)

To study adhesive properties of Urushi glue, adhesive strength and drying time were measured mixing some powder with Urushi , The results showed good performances when buckheat flour or wheat flour were mixed 20-30%, and drying on 8week or more, in both normal and waterproof condition for adhesive strength were good. And we experimentally made laminated lumber with the mixed Urushi glue, and the lumber was available for potter's wheel processing.
著者
森下 あおい 中村 顕輔
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.3_43-3_48, 2019-01-31 (Released:2019-03-25)
参考文献数
10

服飾デザインの現場やデザイナー教育では,体形を客観的に把握しつつ創造性を高めるため,平均体形にデフォルマシオン(意匠的変形)を施した基準体形像が用いられる.しかし従来の研究は若年層のものに限られ,シニア層については未着手である.本報ではシニア女性の体形の多様性および体形を美しく見せる理想を反映した基準体形像を提案する.このため,3次元計測装置により集団計測したシニア女性53名の体形写真をデザイナーに観察させて体形分類を行い,シニア体形の特徴を顕著に有する3つの体形分類とそれらの代表体形を抽出した.3つの代表体形を別のデザイナーに見せて描かせたデザイン画に対して2次元骨格モデルを適用し,デフォルマシオンを定量的に分析することで基準体形像を抽出した.また基準体形像の妥当性を専門家の評価により確認した.
著者
伊藤 恵士 桐谷 佳恵 小原 康裕 玉垣 庸一 宮崎 紀郎
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.19-26, 2007-07-31 (Released:2017-07-11)
被引用文献数
1

商品購入時のパッケージデザインの重要性をふまえ、ユーザ印象を考慮した日本酒のラベルデザインのあり方を検討するための基礎資料として、日本酒のパッケージの印象評価を行った。まず、13色の瓶の印象評価及び因子分析を行い、ユーザが瓶色に対して何らかのイメージを抱く事を確認した。次に、現行ラベルデザイン14種を6色の瓶と組み合わせ、それらの印象を評価させた。その結果、熟成感、濃淡感、嗜好性の因子が抽出された。ラベル自体の熟成感には色(彩度)、濃淡感には色(色相)と用いられるグラフィックの量、嗜好性には高級感を演出する金などの色や誘目性の高いレイアウトが効果的であることがわかった。そしてラベルの印象は、それが貼られる瓶の色によって大きく変化した。特に嗜好性は、瓶とラベルに使用されている色の統一感、色相差、明度差、色数によって大きく変わった。
著者
横窪 安奈 木村 健一
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
巻号頁・発行日
pp.P50, 2010 (Released:2010-06-15)

本研究は,茶室における亭主の動作と茶釜音(環境情報) が茶事における周期性を持つことを明 らかにし,この周期への客の同期を図ることで,茶事協調支援を促すための新しい茶室「幻庵」の 提案を目的としている.茶道は日本の伝統芸能の代表の1つである.茶道の技能を習得するためには,教科書を用いた知識習得型の学びでは,体得するのは困難である.そのため,技能の習得に関わる身体動作の周期性への同期を主体とした,スキル・サイエンスの知見を用いて茶事協調を解明することに取り組んだ.まず,茶釜の湯温変化が茶事協調の重要な要素であると仮説を立て,LED を発光体とし,Gainer で発光パターンを制御する明滅発生装置「幻庵ver0.1」を試作した.ここでは,茶室空間独自の雰囲気を損ねないことが確認できた.次に,茶事協調の同期の状況を確認するため,茶室フィールド実験を行った.実験結果から,亭主の動作が茶釜の音の変化と同期していることが明らかになった.さらに,亭主の動作を一区切りとした周期があり,茶事全体の周期を構成していることが示唆された.これを可視化することで,客が茶事の周期への同期を図ることができ,茶事協調の支援となる可能性があると考える.
著者
川端 久美子 中田 悠理 木谷 庸二
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
巻号頁・発行日
pp.236, 2017 (Released:2017-06-29)

ソーシャル・ネットワーク・サービス(以下、SNS)の利用者は年々増加している人気のサービスである。しかし、SNSは過剰に使用すると、SNS依存やSNS疲れなどの精神的病に掛かる危険性をはらんでおり、その要因のひとつとして、「いいね」やコメント等の投稿に対するリアクションが指摘されている。本研究では、SNSに於ける「いいね」に着目し、「いいね」がユーザーに与える心理的影響を観察し、SNS特有の楽しさを維持しながら、SNS依存やSNS疲れを誘発しない「いいね」のデザイン方法を明らかにする。
著者
伊藤 恵士 桐谷 佳恵 小原 康裕 玉垣 庸一 宮崎 紀郎
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.21-26, 2007-03-31 (Released:2017-07-11)
参考文献数
13

商品購入時のパッケージデザインの重要性をふまえ、日本酒のパッケージデザインのあり方を考察するため、まず本研究では、日本酒ラベルの現状を探った。日本酒ラベルのデザイナーのインタビューからは、1)デザイナーと蔵元との間のイメージの不一致、2)吟醸酒などのクラスを意識したデザインがされていない、3)蔵元の保守的傾向、が問題点として上がった。そして、現行の日本酒ラベル689点に加え、20年前の日本酒ラベル245点、瓶などの形状が日本酒に似た焼酎と泡盛から、それぞれ207点、113点のラベルを収集し、デザインを分析した。その結果、クラス別に差別化が行われているとは言いがたいが、多少の傾向の違いはみられた。数量化理論剛類の結果から、現行ラベルは「単純一複雑」、「調和一独立」の観点から記述できる事がわかった。そして、過去のデザインの特徴と合わせて考えると、複雑で独立的なデザインから、調和あるいは単純な方向への2つのデザイン潮流も見いだされた。
著者
川上 比奈子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.6_57-6_64, 2017-03-31 (Released:2017-05-10)
参考文献数
29

漆芸家、菅原精造はアイリーン・グレイに日本漆芸を教え、共同し、彼女の作品に影響を与えた。本稿の目的は、日本とフランスの菅原の遺族に取材し、関連文献・史料を調査してグレイが学んだ菅原の漆芸習得の背景を明らかにすることである。結果、次の事実が明らかになった。1)菅原の漆芸技術の習得は、圓山卯吉が創設し運営した山形県酒田市の教育機関兼事業所「カワセ屋」での修行に始まる。 2)「カワセ屋」が木工・家具製作に重点をおいていたことから、菅原は木工・家具製作の技術も習得していた。 3)菅原に漆芸を教えた師匠の一人は漆器職人、森川奇秀である。 4)菅原は、1901(明治34)年9月に東京美術学校漆工科に入学し、1905(明治38)年11月に渡仏した。同校に4年以上在学したが、卒業はしていない。 5)東京美術学校漆工科における主な教員は、彫刻家・高村光雲、漆芸家・川之辺一朝、漆芸家・辻村松華である。6)東京美術学校で菅原が学んだ内容に高村から学んだ彫刻の要素が含まれている。7)菅原は自身を漆芸家としてだけでなく彫刻家と自任していた。以上から、グレイは漆塗りの技術だけでなく、家具の製作や彫刻など立体造形の技術も菅原から学んだと考えられる。
著者
天貝 義教
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.39-48, 1997-11-30 (Released:2017-07-25)
参考文献数
56

ブラック・マウンテン・カレッジは1933年から57年までアメリカ合衆国ノースカロライナ州に開設されていたリベラル・アーツの実験的大学である。その開校の年ベルリンにおいてバウハウスはナチズムの圧力のもとで閉校し, アルバースはニューヨーク近代美術館のP.ジョンソンの仲介によりブラック・マウンテン・カレッジに招聘されることとなった。アルバースは1949年までこの地に留まり, バウハウスの教育法とその理念を移植し, 自らの造形思考を発展させていった。その間アルバースは合衆国において抽象芸術家としての地位を固めるとともに最も影響力のある芸術教師となり, その学生にはR.ラウシェンバーグ.K.ノーランドらが含まれていた。アルバースとその学生たちの活動によってブラック・マウンテン・カレッジは40年代から50年代初頭にかけてモダン・アートとデザインの中心となったのである。本稿の目的はアルバースの造形思考を辿りながら, ブラック・マウンテン・カレッジにおけるバウハウスの影響とその発展を考察することにある。
著者
石丸 進 石村 真一
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.1-10, 2004-09-30 (Released:2017-07-19)
参考文献数
25

本研究は,わが国の室内・家具と中国家具文化とのかかわりを,坐臥具を中心に比較・検証した。その結果,次のことが明らかとなった。(1)中国坐臥具の床(牀ともかく)は寝台であり,日本の「床の間」「床几」「床子」などの語源や形態に影響した。(2)「榻」は,日本の縁台や店棚形式の坐具と類似する。(3)中国北方の寝床「?」での起居様式は日本と同じ床坐であった。?で使用する「?卓」は、日本の「座卓」の原型であった。(4)?の起源は,古代中国の俎を原型とし,小?子は,日本の踏台や風呂腰掛けと同一構造・形態であった。(5)条?は,日本の床几と構造・形態で一致し,使用法も類似していた。
著者
酒巻 隆治 染矢 聡 岡本 孝司
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.59-66, 2009-03-31 (Released:2017-07-19)
参考文献数
39
被引用文献数
2

本論文では,Webデザインがユーザに与える印象と,記憶される情報量との関係を明らかにするため,Webアンケート調査と被験者実験(眼球運動測定,ヒアリング)を通して調べた結果について報告する.まずSD法によりWebデザインが与える印象,評価を分析した結果,「利便性」「文字の可読性」「エンターテイメント性」というWeb評価因子が抽出された.また共分散構造分析を通し,良いデザインと思われるには「利便性」「エンターテイメント性」,再利用意向を高めるには「利便性」の影響が大きいことを明らかにした.またWeb閲覧時のユーザの眼球運動測定,閲覧後のヒアリングにより,注視された情報量と記憶された情報量とは相関関係があること.また,注視された情報量は「利便性」「エンターテイメント性」,記憶された情報量は「利便性」の影響が大きいことを示した.つまり,良いデザインと思われる為にも,再利用意向を高める為にも,情報が注視される為にも,記憶に残す為にも,「次に何をすればいいか迷わない」「タイトルが見つけやすい」などユーザのメンタルモデルに即した「利便性」をWeb上にデザインすることが重要となることが明らかになった.