著者
李 志炯 崔 庭瑞 小山 慎一 日比野 治雄
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.5_101-5_108, 2017-01-31 (Released:2017-03-10)
参考文献数
18

文字の太さは人間の感情や態度などと関係がある。たとえば,文字を読む際に太さが変化しても文字の意味が伝わるのは同様であるが,受ける印象には差が生じる。そのため,正確なコミュニケーションの実現のためには文字の太さと印象の関係について検討する必要がある。そこで,本研究では明朝体,ゴシック体の2書体それぞれのひらがなとカタカナを対象に文字の太さ(レギュラー,セミ・ボールド,エクストラ・ボールド)による印象の変化についての検討を加えた。その結果,明朝体のひらがなの場合,レギュラーでは柔和性・高級感・女性的な印象などが,他の太さでは柔和性・重厚性・男性的な印象などが抽出された。一方,明朝体のカタカナ・ゴシック体のひらがなおよびカタカナの場合,レギュラーでは先鋭性・高級感・女性的な印象などが,他の太さでは先鋭性・重厚性・男性的な印象などが抽出された。これらの結果により,文字の太さごとの印象の特徴および文字の太さによる印象の変化が明らかになった。
著者
高橋 祐亮 須永 剛司
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
巻号頁・発行日
pp.478-479, 2018 (Released:2018-06-21)

この制作は昆虫食を扱っている。今回はその中でも私がいかに昆虫食をデザインしてきたかについて述べる。アプローチは主に3つあり、それは試行錯誤と記録と表現である。私は昆虫食に関する気づきを得るために試行錯誤を行なった。そして、私はその試行錯誤を記録して表現することで、多くの人に昆虫食を考えたり拡張したりするためのきっかけを与えようとした。これらの行為は一般的なデザインとは少々異なっているが、テーマやそのテーマが抱える問題が不明瞭であるときにはデザイン自体を作り上げる必要があるのではないかという考えをもとに行っている、
著者
高橋 祐亮 須永 剛司
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
巻号頁・発行日
pp.478, 2017 (Released:2017-06-29)

昆虫食は機能的な面と嗜好品としての面の2つの可能性がある。現在は機能的な面が主に注目されているが、実際に食として広がっていくためには食としての嗜好性にも力を入れる必要がある。そこで私は昆虫食を広めるために料理のプロジェクトを行なっていた。コンセプトを立てたり、広がるための工夫を凝らしたりしながら実際に料理をしてそれらを多くの人に提供した。しかし、それらは成功とは言えなかった。多くの人は料理を食べてくれたし、思ったより美味しいという感想を述べてくれたが、それは一時的なもので継続的なものではなかった。そこで美味しさとは何かという観点からリサーチをした。その結果、食におけるテクスチャーという考えが重要であることがわかり、その観点から昆虫料理のプロジェクトが失敗した原因を探り今後の方針を立てた。
著者
和田 あずみ 三澤 直加 富田 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
巻号頁・発行日
pp.152-153, 2018 (Released:2018-06-21)

対話の場、共創の場、議論の場、学びの場。近年、多様な場を視覚化支援するビジュアルファシリテーション(以後VFとする)の取り組みが広がっている。多様化するVFの取り組みの中で、VFの実践者でもある著者らは、場や目的に応じたVFの手法を選ぶ必要性を感じており、「コンテクスト別にVFの特性を明らかにできれば、コンテクストに応じて活用方法を変えることができ、価値ある場の再現性が高まるのではないか」と考えた。分野ごとに手法を論じた文献は存在するが、分野横断でVFを捉えた先行研究は存在しなかったため、著者らは分野横断的に、VFが形式知化された43文献を読み解いた。一般的な分野ごとの分類ではなく、文献の手法とコンテクスト、及びその背景にある社会全体の変化を捉えた結果、VFが活用される6つの領域と27の役割を特定した。また、VFの手法選択と価値ある活用に影響を与える2つの視点「場が参加者に与える影響」と「目指す成果」を明らかにした。それぞれの領域、役割に応じて、効果的な描き方・描く対象・分析手法・場へのフィードバック等VFの関与方法があると考えられる。
著者
王 淑宜 植田 憲
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.3_41-3_50, 2017-11-30 (Released:2018-02-01)
参考文献数
46

本研究は,台湾新北市に位置する三峽地域における内発的地域づくりの方向性を導出するための調査・研究の一環である。本稿においては,当該地域における藍染産業の歴史を概観・整理するとともに,藍染産業が三峽地域の社会に及ぼした影響を考察することを目的とした。文献調査ならびに古老らへの聞き取り調査に基づき,以下の各点を明らかにした。(1)当該地域の藍染産業の基礎は,中国福建省などから台湾に移住して来た人びとが故郷から持ち込んだものであった。(2)当該地域の人びとが良質な藍澱や藍染製品を製造する独特の技法を生み出し,台湾全土の他,中国や日本などへ輸出するまでに興隆した。(3)三峽地域の藍染産業が最も盛んになったのは1890年から1920年頃であったが,その後,化学染料の台頭や社会の変容を要因として急速に衰退した。(4)三峽地域の藍染産業の形成には,「互助精神」「結市」などの当該地域の人びとの結束が大きな影響を与えた。今後の地域づくりにあっては,上述した歴史を踏まえ,地域の展開を志向していくことが望まれる。
著者
山田 慶子 上田 友彦
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
巻号頁・発行日
pp.78-79, 2000-10-16 (Released:2017-11-08)

To study adhesive properties of Urushi glue, adhesive strength and drying time were measured mixing some powder with Urushi , The results showed good performances when buckheat flour or wheat flour were mixed 20-30%, and drying on 8week or more, in both normal and waterproof condition for adhesive strength were good. And we experimentally made laminated lumber with the mixed Urushi glue, and the lumber was available for potter's wheel processing.
著者
森下 あおい 中村 顕輔
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.3_43-3_48, 2019-01-31 (Released:2019-03-25)
参考文献数
10

服飾デザインの現場やデザイナー教育では,体形を客観的に把握しつつ創造性を高めるため,平均体形にデフォルマシオン(意匠的変形)を施した基準体形像が用いられる.しかし従来の研究は若年層のものに限られ,シニア層については未着手である.本報ではシニア女性の体形の多様性および体形を美しく見せる理想を反映した基準体形像を提案する.このため,3次元計測装置により集団計測したシニア女性53名の体形写真をデザイナーに観察させて体形分類を行い,シニア体形の特徴を顕著に有する3つの体形分類とそれらの代表体形を抽出した.3つの代表体形を別のデザイナーに見せて描かせたデザイン画に対して2次元骨格モデルを適用し,デフォルマシオンを定量的に分析することで基準体形像を抽出した.また基準体形像の妥当性を専門家の評価により確認した.
著者
川上 比奈子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.6_57-6_64, 2017-03-31 (Released:2017-05-10)
参考文献数
29

漆芸家、菅原精造はアイリーン・グレイに日本漆芸を教え、共同し、彼女の作品に影響を与えた。本稿の目的は、日本とフランスの菅原の遺族に取材し、関連文献・史料を調査してグレイが学んだ菅原の漆芸習得の背景を明らかにすることである。結果、次の事実が明らかになった。1)菅原の漆芸技術の習得は、圓山卯吉が創設し運営した山形県酒田市の教育機関兼事業所「カワセ屋」での修行に始まる。 2)「カワセ屋」が木工・家具製作に重点をおいていたことから、菅原は木工・家具製作の技術も習得していた。 3)菅原に漆芸を教えた師匠の一人は漆器職人、森川奇秀である。 4)菅原は、1901(明治34)年9月に東京美術学校漆工科に入学し、1905(明治38)年11月に渡仏した。同校に4年以上在学したが、卒業はしていない。 5)東京美術学校漆工科における主な教員は、彫刻家・高村光雲、漆芸家・川之辺一朝、漆芸家・辻村松華である。6)東京美術学校で菅原が学んだ内容に高村から学んだ彫刻の要素が含まれている。7)菅原は自身を漆芸家としてだけでなく彫刻家と自任していた。以上から、グレイは漆塗りの技術だけでなく、家具の製作や彫刻など立体造形の技術も菅原から学んだと考えられる。
著者
酒巻 隆治 染矢 聡 岡本 孝司
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.59-66, 2009-03-31 (Released:2017-07-19)
参考文献数
39
被引用文献数
2

本論文では,Webデザインがユーザに与える印象と,記憶される情報量との関係を明らかにするため,Webアンケート調査と被験者実験(眼球運動測定,ヒアリング)を通して調べた結果について報告する.まずSD法によりWebデザインが与える印象,評価を分析した結果,「利便性」「文字の可読性」「エンターテイメント性」というWeb評価因子が抽出された.また共分散構造分析を通し,良いデザインと思われるには「利便性」「エンターテイメント性」,再利用意向を高めるには「利便性」の影響が大きいことを明らかにした.またWeb閲覧時のユーザの眼球運動測定,閲覧後のヒアリングにより,注視された情報量と記憶された情報量とは相関関係があること.また,注視された情報量は「利便性」「エンターテイメント性」,記憶された情報量は「利便性」の影響が大きいことを示した.つまり,良いデザインと思われる為にも,再利用意向を高める為にも,情報が注視される為にも,記憶に残す為にも,「次に何をすればいいか迷わない」「タイトルが見つけやすい」などユーザのメンタルモデルに即した「利便性」をWeb上にデザインすることが重要となることが明らかになった.
著者
青木 弘行 久保 光徳 鈴木 邁 後藤 忠俊 岡本 敦
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.96, pp.47-54, 1993-03-01 (Released:2017-07-25)

エレクトリックギター用材料に適した新しい材料選択基準を求めるため、音色に強い影響を与えるヤング率、振動損失、密度、そして周波数スペクトル分布に代表される物理特性と、エレクトリックギターの音色としての「ふさわしさ」に対する評価尺度である感覚特性との相関関係について検討した。木材、プラスチック、金属に対する打撃振動、および振動音測定実験を行い、物理特性および音響特性の解析を行った。感覚特性は、これらの振動音の、エレクトリックギターに対する、相対的な「ふさわしさ」であるため、一対比較法を用いた官能評価実験により解析を行った。本研究によって解析された物理特性と感覚特性との関係を明確にするため、典型的な楽器用材料選択基準による評価を行うと同時に、これらの特性の相関式を、重回帰分析法に従って求め、エレクトリックギター用材料選択基準の検討を行った。これらの検討より、選択基準の説明因子である密度、特にその値の対数値とヤング率の影響が重要であることが明らかとなった。さらに、密度やヤング率を操作できる材料である繊維強化複合材料(GFRP、CFRP)の、エレクトリックギター用材料としての有効性について検討し、高剛性、低密度であるCFRPの利用可能性を確認した。
著者
小川 直茂 三上 訓顯 坂本 淳二
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.5_81-5_90, 2017-01-31 (Released:2017-03-10)
参考文献数
6

平成27年10月に厚生労働省が示した「患者のための薬局ビジョン」にもとづき,今後薬局の役割は薬剤の提供から,患者の健康維持・増進を総合的に支援する「健康サポート」へと転換を迎える。そうした体制の実施にあたっては,薬剤師が必要とする様々な情報を効率的に記録・管理・運用できるシステムのあり方について検討を深めることが極めて重要である。本研究では,薬剤師の意識調査と分析を通して健康サポート薬局の推進および効果的運用に向けた情報記録・管理・運用システム設計のための課題を明らかにすることを目的として研究に取り組んだ。 調査結果についてカテゴリカル主成分分析と階層クラスター分析を用いて解析を行った。カテゴリカル主成分分析の結果5つの主成分が明らかになり,階層クラスター分析によって薬剤師の意識傾向を6つのグループに類型化することができた。これらの結果を元に考察を行い,多くの機関とのコミュニケーションハブとして機能するためのコミュニケーションモデルのシステム面での支援の必要性や,健康サポート業務の段階に応じて必要な情報に効率的にアクセスできる方法の検討など,システム構築に向けた複数の課題を明らかにすることができた。
著者
後藤 吉郎 石川 重遠 山本 政幸
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
巻号頁・発行日
pp.E09, 2010 (Released:2010-06-15)

この研究は、アメリカや日本の印刷界で使われているゴシックと呼ばれている活字分類の起源を解明する事を目途としている。ゴシックという呼称は、アメリカと日本の両国の活字見本帳で見る事ができる。そもそもゴシック体は、15世のグーテンベルグ聖書で使われたブラックレターを指し示していたが、アメリカでは19世紀のサンセリフ体を使用する時からこのゴシック体という用語を用いていた。William Gambleが中国の教会で印刷家として任を終えてアメリカへ帰る途中、日本へ立ち寄り、印刷技術の商会をしたが、その折にこのゴシックという用語も教えて帰国したのではないだろうか。Gambleとアメリカの活字鋳造所がタイプフェースを誤ってもたらした事と、この仮説をこの研究で明らかにする。
著者
石丸 進 石村 真一
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.1-10, 2004-09-30 (Released:2017-07-19)
参考文献数
25

本研究は,わが国の室内・家具と中国家具文化とのかかわりを,坐臥具を中心に比較・検証した。その結果,次のことが明らかとなった。(1)中国坐臥具の床(牀ともかく)は寝台であり,日本の「床の間」「床几」「床子」などの語源や形態に影響した。(2)「榻」は,日本の縁台や店棚形式の坐具と類似する。(3)中国北方の寝床「?」での起居様式は日本と同じ床坐であった。?で使用する「?卓」は、日本の「座卓」の原型であった。(4)?の起源は,古代中国の俎を原型とし,小?子は,日本の踏台や風呂腰掛けと同一構造・形態であった。(5)条?は,日本の床几と構造・形態で一致し,使用法も類似していた。
著者
小野 英志
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.1-10, 1998-05-31 (Released:2017-07-21)
参考文献数
58

スタンリ・モリスンは, ゴランツ書店の斬新なブック・ジャケットによって知られるデザイナーあるいはアート・ディレクターであると同時に, 印刷・出版の歴史に関する深い学殖を備えた研究者でもある。1932年に発表され, 現在では最もポピュラーなローマン書体とも見做すことのできるタイムズ・ニュー・ローマンの開発経緯を例として, 彼の書体開発態度を, その著作を通じて検討した。その結果, 書体開発における彼の態度は, ブック・ジャケットのデザインのような場合とは異なり, たいへん慎重かつ保守的であり, そのことがまた彼の書体観ないし書体史観の反映であることが了解された。モリスンにおいてこうした態度を支えているものは, 文字の歴史に関する該博な知識と, それが差し示す書体の正統的形態を尊重する姿勢である。
著者
石川 重遠 後藤 吉郎 山本 政幸
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
巻号頁・発行日
pp.G02, 2009 (Released:2009-06-16)

この研究は、アメリカのゴシック体に影響を受けた日本のゴシック体の創出について明確にするものである。欧文書体とタイポグラフィの3名の専門の研究者がこの課題解決に取り組んでいる。山本は、ヨーロッパのサンセリフ体がアメリカに渡りゴシック体と呼ばれるようになった研究をしている。また、後藤は、アメリカの印刷技術が日本の近代印刷技術の礎を築いた研究をしている。石川は、日本語のゴシック体の創出に関する研究をしている。この3つの研究をつなげ、「和文ゴシック体創出と欧文書体との関連性研究」としてまとめたい。 今回の発表テーマは、和文ゴシック体の創出である。
著者
川端 久美子 中田 悠理 木谷 庸二
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
巻号頁・発行日
pp.236, 2017 (Released:2017-06-29)

ソーシャル・ネットワーク・サービス(以下、SNS)の利用者は年々増加している人気のサービスである。しかし、SNSは過剰に使用すると、SNS依存やSNS疲れなどの精神的病に掛かる危険性をはらんでおり、その要因のひとつとして、「いいね」やコメント等の投稿に対するリアクションが指摘されている。本研究では、SNSに於ける「いいね」に着目し、「いいね」がユーザーに与える心理的影響を観察し、SNS特有の楽しさを維持しながら、SNS依存やSNS疲れを誘発しない「いいね」のデザイン方法を明らかにする。
著者
和田 あずみ 三澤 直加 名古屋 友紀 小野 奈津美 竹村 郷
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
巻号頁・発行日
pp.390, 2019 (Released:2019-06-27)

第四次産業革命を背景に、プレゼンスが弱まっている日本経済。日本の企業では、企業の創造的活動にあたり、柔軟に、常識にとらわれないで活動を創出する目的で、グラフィックレコーディング(以下GR)の活用が広がっている。新宿区立落合第六小学校では、このGRの方法を取り入れ、創造的な人材の育成を目的に小学生へ向けた「おえかきシンキング」授業(全4回)を株式会社グラグリッドと共同で開発し、実施した。全4回の授業を通じて、創造的活動を支え推進する兆しの行動が生徒達にみられるようになった。また、生徒達の変容、授業の振り返りおよび分析を通じて、創造的人材育成に貢献する4点の影響要因として、「個人の壁や視野、固定概念からの解放」「新しい意味づけのための、身体による探索と他者関与」「他者の声を受けとめるために、自分の心の声を『きく』こと」「創造し、まとめるための『イメージ』『マインド』の育成」を導き出した。
著者
侯 茉莉 小野 健太 渡邉 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.17-24, 2010-11-30 (Released:2017-06-24)
参考文献数
14

台湾では戦後早期のデザイン発展およびデザイン教育において、日本からの影響と、米国およびヨーロッパの専門家や学者から多くの協力が得られた。日本の影響のもとに築かれた台湾のデザイン教育が、商工業の発展につれて次第に独自のスタイルを持つようになった。一方、日本でも、ものを作るだけの時代から、更にマーケティング等の視点を取り入れ発展してきた。本論では、100年以上の歴史を経た現在の日本および台湾における高等デザイン教育の状況、また、日本と台湾のデザイン教育の相違を抽出することが目的である。日本の35のデザイン学科および台湾の32のデザイン学科に対し、カリキュラムの調査を行った。具体的には、それぞれのカリキュラムについて、重視されている、あるいは欠けている課程を調べ、数量化理論III類を用いて分析することにより、9つのタイプに分類を行った。それらのタイプと日本、台湾との関係を見ることにより、日本のデザイン教育は多様な要素を含んだ総合的な学問として、台湾のデザイン教育は「ものづくり」ための技術教育を中心に発展してきたことが分かった。