- 著者
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藤村 諒
佐藤 浩一郎
寺内 文雄
- 出版者
- 一般社団法人 日本デザイン学会
- 雑誌
- 日本デザイン学会研究発表大会概要集
- 巻号頁・発行日
- vol.65, pp.450-451, 2018
本研究では疎水性シリカを使用した撥水剤を作成し、天然繊維や再生繊維、合成繊維の種類を問わずに高い撥水性を付与することを可能にした。疎水性シリカとはそれ自体が非常に水と混ざりづらい性質を持っており、また非常に粒子が小さいというものである。本研究ではこの疎水性シリカにエタノールを溶媒にして懸濁液とした。懸濁液をゲル状になる割合で配合することで塗り込む事ができる撥水剤を作成した。撥水性の測定を接触角によって定量化した。接触角とは液滴の接線と固体表面とのなす角度である。この接触角の値が大きいほど撥水性であると言える。本研究では、市販のフッ素系の撥水スプレーと作成したゲル状の疎水性シリカの撥水剤とで接触角の比較検証を行った。サンプルは天然繊維及び再生繊維、合成繊維の布地で合計6種類使用した。結果は市販の撥水スプレーを塗布したサンプルでは6種類の布地の接触角はほぼ110から120度の値を示していた。作成した疎水性シリカの撥水剤を塗布したサンプルでは、再生繊維のキュプラを除く5種類で150度を超える接触角を示していた。しかし水滴と共に、疎水性シリカの一部が流れ落ちることが今後の課題である。